ノロウイルス感染症| Norovirus Infection
感染経路と予防
ノロウイルスに汚染された食物や飲料水を摂取することで感染する。またこのウイルスに感染した動物やヒトの糞便が付着したものやそれに触れた手を介して経口的に感染する。頻度は低いが、感染したヒトが嘔吐した時やその嘔吐物の片付けを行う時に、嘔吐物から舞い上がる飛沫を吸い込むことで感染することが報告されている。
予防は、アルコール消毒が無効なため、食事や調理の前、また排便後やオムツの交換後には流水と石鹸による手洗いを行うことである。食品は調理前によく洗い、十分に加熱する。
病態
ノロウイルス感染症は、カリシウイルス科に属するノロウイルスによって惹き起こされる感染症である。ノロウイルスがヒトの空腸の上皮細胞に感染して下痢を惹き起こすとされているが、詳細なメカニズムは不明である。
主な症状は嘔吐や下痢で、それにより脱水症状をきたすことがある。他に腹痛、頭痛、発熱、倦怠感などの症状を伴うこともある。
診断・治療
ノロウイルス感染症は、急性の嘔吐や水様性下痢の患者で推定的に診断される。一部の患者で糞便を用いた抗原検査や核酸検出検査で診断されることがある。
ノロウイルス自体に対する治療薬はない。対症療法として、嘔吐や下痢で失われた水分を補うために、水分を十分に摂取し脱水を防ぐ必要がある。脱水症が重症化した場合には、入院して点滴での治療が必要になる場合がある。
出典
CDC norovirus
https://www.cdc.gov/parasites/crypto/
国立感染症研究所 ノロウイルス感染症とは
https://www.cdc.gov/norovirus/index.html
このサイトの執筆者一覧
植田 秀樹,大川 直紀,大塚 喜人,窪田 佳史,倉澤 勘太,津山 頌章,中尾 仁彦,藤井 元輝,松田 直也