Rat-bite fever

感染経路と予防

げっ歯類に咬まれたり、引っ掻かれたりすることで感染する。

細菌 (Streptobacillus moniliformisまたはSpirillum minus)は、傷口や目、鼻、口などの粘膜から直接体内に入る。

またネズミの糞や尿で汚染された食べ物や飲み物を摂取することでも感染する。ネズミの生息地やネズミとの直接接触を避けることで、感染リスクを下げることができる。

病態

発展途上国以外ではほとんどStreptobacillusが原因となる。

Streptobacillus moniliformisの場合、潜伏期間は7日以内で、発熱に加えて初期症状として四肢に斑状皮疹がでることが多く、その後、膝から始まる多発関節炎を生じる。

Spirillum minusの場合、潜伏期間が1~3 週間と長く、関節炎を起こすことはまれである。

診断・治療

Streptobacillus moniliformisSpirillum minusは培養困難で、臨床的に診断されることが多い。

組織(弁や骨)や関節液などの適切な検体を用いた16S rRNA遺伝子塩基配列解析は診断に有用である。

治療は一般的にペニシリン系抗菌薬であり、感染性心内膜炎などの合併症があれば治療を延長する必要がある。Streptobacillus moniliformisはしばしば血液培養で検出された症例が報告されている。

出典

https://www.cdc.gov/rat-bite-fever/index.html

Vet Microbiol. 2009 Jan 13;133(3):211-28. UpToDate: Rat bite fever This topic last updated: Nov 30, 2021.

このサイトの執筆者一覧

植田 秀樹,大川 直紀,大塚 喜人,窪田 佳史,倉澤 勘太,津山 頌章,中尾 仁彦,藤井 元輝,松田 直也

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ネズミはハンタウイルスやペスト、ライム病など多くの感染症のホストとなります。これらの病原体は、ネズミの糞、尿、唾液、そして咬傷を通じて人間に感染します