有鉤嚢虫症| Taenia solium infection (Taeniasis)
感染経路と予防
有鉤嚢虫症は有鉤条虫の幼虫が寄生する寄生虫症で、筋肉や皮下、脳内に幼虫が移行して嚢を作る。有鉤条虫(成虫)患者が排泄した虫卵によって汚染された飲食物を摂取することにより感染する。
豚もヒトの排泄物などに含まれる有鉤条虫卵を摂取することにより有鉤嚢虫症を発症し、その肉を生で摂取することで、有鉤条虫(成虫)に感染する。
有鉤嚢虫症は生の豚肉を摂取して直接発症することはない。予防は虫卵を摂取しないことが重要で、トイレの後、おむつを交換した後、食品を扱う前に、石鹸とぬるま湯で手を洗う。
生野菜や果物は、食べる前に洗って皮をむく。
病態
有鉤嚢虫症の症状は、嚢虫の発生部位と数によって異なる。嚢虫は骨格筋、心筋、皮膚、皮下組織、肺、肝臓、口腔粘膜などで発生する。嚢虫による症状はほとんどない。
ただし嚢虫が中枢神経系に移行し、神経嚢虫症を惹き起こすことがあり、重篤な神経症状およびてんかん症状を伴い、突然死亡する可能性がある。
診断・治療
疫学的曝露に加えて、痙攣などの症状および関連する画像所見(嚢胞性病変、石灰化など)で診断する。
神経嚢虫症の治療としてはアルベンダゾールなどの抗寄生虫薬に加えてステロイドや抗痙攣薬を使用する。
出典
https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2406-iasr/related-articles/related-articles-446/7213-446r04.html
https://www.cdc.gov/parasites/cysticercosis/index.html
このサイトの執筆者一覧
植田 秀樹,大川 直紀,大塚 喜人,窪田 佳史,倉澤 勘太,津山 頌章,中尾 仁彦,藤井 元輝,松田 直也
豚/猪 -Pig&Wild boar
豚および猪は、インフルエンザウイルスのホストとして知られています。豚インフルエンザは豚から人へ直接感染することがあります。また、猪はトリキネラ症のリザーバーとしても知られています。