ご挨拶
- 第12回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
- 大会長 大野 毎子
- 唐津市民病院きたはた 院長
第12回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会長を拝命しました大野毎子と申します。本大会のテーマは「プライマリ・ケア×ダイバシティ~多様性をうけいれ活かすケア~」といたしました。私たちの働く地域、患者や家族、また医療従事者である私たち自身も多様です。学会員の多様性の確保は当学会が目指すプライマリ・ケアにおける健康格差の是正のためにも不可欠だと考えられています。これまでの大会で培われた内容に加え、私たちが取り扱っている健康問題の多様性に関する研究、医療提供者の多様性、キャリアの多様性に焦点を当てた企画に力をいれました。
実行員会を編成した2020年当初、新型コロナウイルスの流行が始まり、私たちは最前線の医療者として目の前にあらわれる患者に外来や訪問診療先や病棟などでそれぞれが向き合いました。そしてプライマリ・ケアとは何かと問い直したのではないでしょうか。患者の一番身近な医療者として患者の手を取る、お互いの温度を感じる、そういうあたりまえの診察やケアに困難を感じました。地域との連携で人と人の絆を医療にいかしてきた私たちが、ウイルスを前に、会えない、つながれない危機を感じ、改めてつながる価値を確認しました。また、社会活動が停滞する中、弱者がより弱者になることも目の当たりにしました。
そんな中、私たち実行委員会は12回大会の準備を進めています。広島での第11回大会は急遽Web開催となりました。田妻進大会長はじめ、実行委員の皆さん、そして多くの参加された会員の皆様の知恵と工夫のお陰で、私たちはこのような状況であっても学び続けることができることを証明していただきました。今度の12回大会は、現地開催とWebのハイブリッド形式で開催する準備をしています。当初からの方針として、多様な学習機会の提供という意味で、学術大会に参加しづらい会員、つまり子育て中の方や代替のスタッフがなく現場を離れらない方などのWebでの参加の可能性について考えていましたが、図らずも本格的に導入することとなりました。多様な媒体を用いながら、学び続ける大会になります。
学術大会が九州でひらかれるのは9年ぶりとなります。多くの皆様のお越し、ご参加をおまちしております。
2020年夏