ご挨拶/第62回日本核医学会学術総会
第62回日本核医学会学術総会会長
金沢大学医薬保健研究域医学系核医学 絹谷清剛
第62回日本核医学会学術総会会長を務めさせていただくにあたり、ご挨拶申し上げます。皆様におかれましては周知のことかと存じますが、本大会は第13回世界核医学会と併設の形で開催されます。世界大会の5日間の会期のうち、後半3日間を日本核医学会学術総会として併設開催いたします。これは、世界核医学会規約に則ったものであり、皆様におかれましてはご理解くださいますようお願い申し上げます。
さて、第1回世界核医学会は1974年に東京・京都で開催されました。したがって、2022年にはほぼ半世紀を経て日本に世界大会が帰ってくることとなります。そのため、2013年に誘致活動を開始して以降、”Summarize the past half century and discuss the next half century of WFNMB”と銘打って準備してきました。核医学会学術総会側も、“核医学の過去から未来を語る!”とテーマを掲げました。
近年、theranosticsの波が非常に大きくなってきました。世界的に新規診断製剤、治療製剤が承認されています。我が国でも、遅れてはいるものの着々と進んできています。今大会では、それらを学び、実践に移行するいい機会になると思います。また、この挨拶を書いている時点で、アルツハイマー病治療薬が米国で承認されました。2022年の大会時点では、アミロイドPETの実臨床実装が進んでいることと期待されます。2022年は、核医学診療のターニングポイントになるような気配を感じます。
世界大会のプレナリーセッション演者には、各核医学分野のリーダーに講演していただきます。さらに、ノーベル賞受賞者であられる田中耕一先生をお迎えできることとなっています。田中先生は“for their development of soft desorption ionisation methods for mass spectrometric analyses of biological macromolecules“として受賞されました。2018年にNatureに発表されたリキッドバイオプシーによるアルツハイマー病診断の報告は、田中先生のご研究の延長線上にあるものであり、アミロイドPETと深く関連していると思います。先生を大会にお招きできる喜びに勝るものはありません。
2022年には、コロナワクチンの世界的な普及により全面会場開催となることを期待し、その旨で準備を進めています。国内外の友人たちと久しぶりに顔を合わせ、語らい、議論し、そして、杯を一緒に傾けることができると思います。京都の街で、皆様にお会いできることを楽しみにしています。お待ちしております!