第43回日本社会精神医学会

会長挨拶

第43回日本社会精神医学会
会長渡邊 衡一郎

杏林大学医学部精神神経科学教室

岡﨑 康司

この度、第43回日本社会精神医学会の大会長を拝命しました、杏林大学の渡邊です。
社会精神医学会は、実は小生が初めて研究的試みの口演発表をした学会で、個人的に思い出深い学会であります。それから月日が流れ、今回その学会の大会長を務めさせていただくことになったこと、非常に感慨深い思いでおります。

今回、テーマは「多様化する社会の今、我々に何ができるのか」としました。社会が益々多様化する中、その中で起きる様々な問題を取り上げていただきたいと思い、このように設定いたしました。コロナ禍を経て、ようやく鬱屈した日々から解放されると期待した中の相次ぐ災害。さらに、経済格差と貧困、移民・難民の問題、ハラスメントや働き方に関わる問題など、現代世界で起こっている事象はコロナ禍前より複雑、深刻、そして多様化している印象です。一方で、情報技術や遠隔診療が進展し、ウェルビーイングや幸福度という観点が注目されるなど、その多様性が精神科領域にポジティブな未来を期待させてくれているようにも感じます。我々メンタルヘルスに携わる者が、この現状をどのように理解し、そしてどのように取り組んでいくべきか、改めて皆さまと共通認識を持ってより良い健康社会を策定していくことが肝要と考えます。そしてこの大会で、医療者だけでなく当事者・家族を含め一致団結して解決策を模索し、難しい諸問題へのヒントが見つかればと願っております。

会場は、東京のど真ん中、浜松町の駅前のホールです。浜松町駅は、東京駅と品川駅との間にあり、空港からもモノレールで一本と、陸路空路共に便利な街です。対面のみでの開催となりますので、是非、全国の先生方にご参加いただければ幸甚です。

東京は全国で最も早く桜が開花する街です。少し気が早いかもしれませんが、この時期、運がよければ桜のつぼみもほころんでいるかもしれません。春を先取りしながら、皆様と熱い議論ができればと思います。是非ご参加いただければ幸いです。

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