会長挨拶
この度、第46回日本頭頸部癌学会総会・学術講演会を2022年6月17,18日の2日間にわたり奈良県コンベンションセンターにて開催させていただきます。
本学会は、1961年に頭頸部癌研究会として発足し、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、口腔外科、形成外科、腫瘍内科、放射線科、病理診断科など、頭頸部癌治療の発展のために幅広い領域の医師や専門家が集まる学際的な学術団体として発展してきました。この歴史ある学会の会長を務めさせていただくことは、大変な栄誉であり身の引き締まる思いを強く感じております。本学会の役員、代議員ならびに会員の先生方に厚く御礼を申し上げます。
今回の学会のテーマは「連携の進化と深化」とさせていただきました。頭頸部癌の診療、治療ならびに基礎研究を行うすべての領域の先生方が互いに協力し合い、また切磋琢磨しあう事によって連携をより進化させ深め合い、頭頸部癌治療の発展に努めることを祈念して決めさせていただきました。今回は特にこのテーマに関連した特別講演を2演題、教育講演を5演題、パネルディスカッションを2テーマ、シンポジウムを10テーマ、ミニシンポジウムを2テーマと盛りだくさんの企画をさせていただき、皆様の興味深い内容にさせていただいたつもりです。
頭頸部癌治療は、世界初の治療法としての光免疫療法の導入や免疫チェックポイント阻害薬の系統的な応用、がんゲノム医療、AIの応用など他部位の癌と同様にその治療法は目まぐるしく進化し複雑化しています。その“今”と“近未来”を見据えた頭頸部癌治療の臨床と研究の進歩を先生方と一緒に見据え、ディスカッションできればと期待しています。
1日も早い新型コロナウイルス感染症の終息が望まれるところですが、現実には第6波が落ち着かないうちに第7波が懸念される様になってきました。今後の状況も見据えながらではありますが、基本的には皆様方と直接顔を合わせた対面での開催を主体とし、感染対策に十分に配慮しながら行って参りたいと思っております。
古都奈良はご存知にように約1300年前に都が置かれ、華やかな文化が育まれ開花した地です。聖武天皇の皇后である光明皇后は、貧しい人々や病人に対し施薬院や悲田院などを創設し医療福祉に大きく貢献されました。その古来より根付く素晴らしい精神をさらに醸成し発展させねばならないものと思っています。この伝統ある日本頭頸部癌学会をこの地で開催させていただくことの喜びを感じ、感謝するとともに、一人でも多くの先生方にご参加いただき、本会が盛会となりますようご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
2022年4月吉日