ご挨拶

日本小児麻酔学会第26回大会 会長
ASPA2020 事務局長
東北大学 麻酔科学・周術期医学分野 教授
山内 正憲

 この度,第26回日本小児麻酔学会を主催させていただき光栄に存じます。開催にあたり学会員をはじめ関係者皆様*1にお礼申し上げます。

 本大会はCOVID-19の影響から,1年間の延期と同時開催のアジア小児麻酔学会の中止となりました。ご準備いいただいた皆様にはご迷惑をおかけしたにもかかわらず,今年の開催に前向きな言葉をかけていただき,何よりもありがたかったです。また,9月末ぎりぎりまで仙台開催を検討しましたが,その間の不安や説明不足にもご支援いただき,重ねて感謝申し上げます。

 さて,今大会はテーマを‘One Step Ahead, Together’とし,慣れないことにも一歩踏み出す学会としました。小児麻酔科医の様々な活動を通した講演,新たなワークショップ,関連学会との連携,そして学会の幅を広げる多様な会員の活躍などを紹介しています。演者の活動への敬意と,自分もそこにチャレンジする気持ちを持っていただければ幸いです。座長を複数としたので,学術的なフィードバックが増えることを期待しています。運営面では抄録集のWeb化と作成段階で演者・座長との連携,受付の簡素化などで,感染対策にも取り組みました。省力化と社会情勢の変化があっても継続性のある運営を可能とします。

 小児麻酔の認定資格は基本の麻酔を標準的にできることだと思いますが,そのキャリアプランは高いレベルの専門家から標準的な麻酔の指導者,そしてペインクリニック・緩和医療・ICU・救急医療・研究者など多岐にわたります。本大会を通し,将来像を描くことへの期待が広がることを祈っています。

 それでは,どうぞよろしくお願いいたします。

2021年9月1日  会長 山内正憲

*1「関係機関,企業の皆様に感謝申し上げます。」
  共催企業各社
  江陽グランドホテル
  (株) 大風印刷
  ゆうげん会社 いしかわ工芸
  (株) コンベンションリンケージ
  公益社団法人 日本麻酔科学会
  一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会
  日本周産期麻酔科学会
  一般社団法人 日本小児麻酔学会
  一般社団法人 日本小児麻酔学会事務局
  青藍会
  東北大学麻酔科
  (順不同)


ともに一歩前へ !

 医療の進歩と社会の変革が激しいそうです.変化に要領よく対応するだけでは進歩がなく,対応する意味もわからなくなります.私たちには目の前の現象への対応に加えて,そのメカニズムや原因となる本質を見きわめる力が必要です.その際,一人で孤立せずに進めていくことは解決手段の一つでしょう。

 小児麻酔では,その日の症例に振り回されるのを「上手に乗り切ろう」だけでは,いつまでたっても漠然とした不安が続きます.成長を実感するには,目の前の症例を大切にする,つまり,小児や疾患の特徴を把握し,準備段階で何が起こりうるのかを想像し,モニターに現れない変化を感じ取る能力を磨くことです.小児麻酔の専門家は,後輩一人一人に合わせた的確な指導,次なる仕事へのモチベーションが必要でしょう。

 本学術集会はそのきっかけを作る場です.世界の仲間とともに学び,考え,進んでいくという山下正夫先生の発案から,アジア小児麻酔学会との共通テーマにしました。

‘ One Step Ahead, Together!

 勇気をもって参加する=一歩前に踏み出してください。

●明日の症例に使える知識や技術を学べる
●根底となる生理・解剖・薬理・術式などを深く理解できる
●プレゼンテーションや質疑に挑める
●日ごろの臨床に確信をもって次のステップに進める
●リーダー・教育者として方向性を見出せる
●参加して良かった

と思っていただける準備をいたします.この挨拶を読んでいる皆様にはご協力,演題を通した討論をお願いするしだいです.すでにアジアや欧米から多数の小児麻酔エキスパートの参加が決定しています.Together! は,世界の麻酔科医に加え,医療スタッフ・研究者・患者さんです。

 第26回日本小児麻酔学会は2021年10月16日(土),17日(日)の2日間,仙台市青葉区の国際センターで開催いたします.1998年,当時の橋本保彦東北大学教授のもと,仙台で第4回大会が開催されました.私は20年以上経過した歩みをかみしめながら,日本そして世界の仲間とこれからの方向性を考えたく存じます.皆様にも意義のある学会となることを祈念いたします。

2019年6月16日



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