ご挨拶
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- 第42回日本血栓止血学会学術集会
会長 冨山 佳昭
大阪大学医学部附属病院 輸血部 特任教授
第42回日本血栓止血学会学術集会の開催にあたり一言ご挨拶申し上げます。2020年はCOVID-19のパンデミック拡大により、戦後最大の危機を迎えておりますが、同時にこの大きな試練に対して人類が英知を絞って克服すべき歴史に残る大きな年となりました。本学術集会もこの濁流に飲み込まれそうになりましたが、知恵をしぼり新しい試みとしてWeb開催(主として録画での発表)とさせて頂きました。これに伴い、演題登録頂いた会員には大変申し訳ありませんが、一般口演、ポスターの大阪会場での発表はすべて中止とし、誌上発表のみとさせて頂きます。
本学会の学術集会は長年に渡ってわが国での血栓止血学に関する学術発表と最新の情報発信の場として重要な役割を担ってきました。病的血栓のみならず止血異常症など広範囲にわたり血栓止血異常に関して臨床研究者のみならず、多くの基礎研究者も参加し活発でかつ有意義な議論を行うことを最大の特徴にしています。大阪での本学術集会の開催は、第31回の松尾 理先生、第36回の宮田敏行先生が記憶にありますが、大阪大学が主催したのは、古く第4回(昭和56年)の神前五郎先生以来39年ぶりとなります。奇しくも昭和56年は小生が医師になった年でもあります。
近年の医学の成果は目覚ましく、Translational Researchの成果により多くの分子標的薬が開発されすぐれた臨床成績が得られていますが、まだまだ多くの解決すべき課題が山積しています。この医学の発展には、ヒトを対象とした基礎および臨床研究が必要不可欠です。第42回学術集会では、これまでの学会のプログラムを踏襲しながら、「臨床研究からのメッセージ」をテーマとして「会長シンポジウム:症例解析からみた血栓止血学」や「特別企画シンポジウム:次世代リーダーからのメッセージ」を企画しました。また、海外からも多くの演題登録があり英語抄録は21演題になり、国際化の流れを感じております。海外からの特別講演者として、血小板研究の第一人者であるProf. Bernhard NieswandtとProf. Karin HoffmeisterもWeb参加予定です。
Web開催というまったく新しい形での開催となりましたが、教育講演を含む充実した内容の発表を配信しますので、会員、非学会員を問わず、多くの先生方に参加登録と視聴を御願い申し上げます。
2020年4月