第64回日本神経病理学会総会学術研究会/第66回日本神経化学会大会 合同大会

大会長挨拶

第64回日本神経病理学会総会学術研究会

大会長 望月 秀樹

大阪大学大学院 医学系研究科 神経内科学講座

 第64回日本神経病理学会総会学術研究会を2023年7月6日(木)から8日(土)までの3日間、神戸国際会議場にて開催させていただきます。今回は、“Next Neuro-分子と形態の融合の先に”という大会テーマで、日本神経化学会との初の共同開催になります。日本神経病理学と日本神経化学が融合して、広く神経科学の未来を切り開くことを目標とします。近年の分子生物学的な進歩や技術を、神経病理の分野で活用し、学問の交流ばかりでなく、新しい人的交流によって共同研究を推進し、新しい視点で神経病理学を発展させることを期待しています。

 日本神経化学会は、神経・精神疾患を扱う臨床研究者に加え、生化学・薬理・生理・解剖など広い分野の基礎系神経研究者が参加し、1966年から開催された歴史のある学会です。精神・神経疾患の原因や治療法の開発を目指すという視点では、日本神経病理学会と共通の基盤ではないでしょうか。日本神経化学会総会は、若手研究者育成セミナーや若手道場など若手を教育、交流する場を多く持つことで、学会の活性化を促進しています。日本神経病理学会でも、うまく連携することで、将来神経病理を担う若手研究者を増やすような、充実したプログラムを企画したいと考えております。

 神経病理学会のプレナリーレクチャー、診断病理セッション、顕微鏡を用いてのポスターセッションなども従来通りに企画します。さらに今回は、神経病理学会と神経化学会の新たな合同シンポジウムを企画しています。ここでは、それぞれの発表が学会にとらわれないで、まさに分子と形態の融合の先に新たな発見を期待できるセッションにしたいと思います。また、日本の学会では、発表後に中々反対意見を言いづらい事があります。そこで、ディベート形式のシンポジウムも幾つか企画したいと思います。あえて反対意見を言うことで理解が深まり、議論が盛り上がるような会ができればと考えております。

第66回日本神経化学会大会

大会長 今泉 和則

広島大学大学院 医系科学研究科 分子細胞情報学

 この度、第66回日本神経化学会大会を2023年7月6日(木)から8日(土)にかけて神戸国際会議場(神戸市)で開催する運びとなりました。本大会は、日本神経病理学会との初めての合同開催となります。

 日本神経化学会は、神経化学を標榜する世界の学会の中で最も長い歴史を有する伝統ある学会です。これまで、神経系の多彩な現象を分子の視点から捉え、神経発生・発達・再生・老化のメカニズムや神経・精神疾患の病態解明など様々な脳科学研究を展開しその発展に貢献して参りました。昨今、脳科学研究は、凄まじい技術革新に伴って生物学や医学にとどまらず、化学、工学、情報学など多方面に広がりをみせています。こうした中、神経化学研究の新たな地平を求め、他分野との融合から生みだされる革新的な脳科学の開拓を旗印に日本神経病理学会との合同大会を企画致しました。

 我が国の神経病理学研究を担い発展させてきた日本神経病理学会は、日本神経化学会とほぼ同時期に誕生した歴史と伝統のある学会です。合同大会を開催しそれぞれの学会の特色を融合させることで、思いもかけない新たな化学反応が起こり、疾患をベースとした脳科学創成の糸口を見い出すことが期待できます。合同大会のテーマを、“Next Neuro-分子と形態の融合の先に”とし、現在の神経化学および神経病理学研究の最前線について理解を深めた上で、両者の融合が生み出す次世代脳科学を展望できる場としたいと考えています。また伝統行事とも言える若手道場や若手育成セミナーの充実を図るとともに、International Society for Neurochemistry (ISN)とのジョイントシンポジウム、学会の目玉になる研究プロジェクトについて考えるflagship projectシンポジウム、ディベート形式のシンポジウムなど様々な企画を用意し参加者全員に満足いただける中身の濃い3日間に致します。