第37回総合病院精神医学会 会期:2024年11月29日(金)・30日(土) 会場:熊本城ホール(〒860-0805 熊本市中央区桜町3-40)

会長:竹林 実(熊本大学大学院生命科学研究部 神経精神医学講座 教授) 事務局長:朴 秀賢(熊本大学大学院生命科学研究部 神経精神医学講座 准教授)

ワークショップ事前参加登録

事前参加が必要なプログラムに関しては、下記のお申込みフォームよりご登録をお願いいたします。
申込の有無や締切予定は各セッションをご確認下さい。 ※定員になり次第締切

【ワークショップ1】臨床倫理と向き合う~周産期メンタルヘルスの現場から
(専門医制度委員会)

開催日時 11月29日(金)13:30~15:00 (第5会場 3F 中会議室D1+D2)
申込方法 事前申込
申込締切 11月27日(水)
定員 30名

身体治療において、精神障害による病識の欠如や否認などから意思決定能力が損なわれ、結果として患者さんが治療を拒否するなど治療が滞ることがある。時間的猶予がない中で、医療チームは患者家族とコミュニケーションを取りながら治療選択を支援する行うことになる。患者家族の意向の尊重と医学的必要性、あるいは強制的医療などとの間で倫理的葛藤が生じることが少なくなく、問題解決に向けた支援を精神科に求められることがある。精神科では患者の精神症状の評価・治療以外に潜在的な倫理的葛藤を浮き彫りにし、医療チームが納得感をもって臨床的決断を下せるように支援を行うべきであるが、精神科側も強い倫理的葛藤を抱くことが少なくない。

そこで本ワークショップでは周産期メンタルヘルスにおける臨床倫理的課題を含んだ事例を取り上げ扱い、グループワークなどを通して臨床倫理的視点に基づいた臨床実践への考え方の理解を深めていく。事例検討の前に臨床倫理に関する講義を行うので、職種や経験の有無を問わず積極的に参加していただきたい。

なお本ワークショップは周産期メンタルヘルス委員会との共同企画である。

【ワークショップ2】多職種おしゃべりサロン(多職種交流ワークショップ)
(リエゾン多職種委員会)

開催日時 11月29日(金)13:30~15:00 (第6会場 3F 中会議室E1+E2)
申込方法 事前申込
申込締切 空きがあれば当日参加も可
定員 40名

総合病院において、多職種チームで支援を行うのが当たり前になっては来ているものの、その中にあって精神科医も、心理職もリエゾンナースも院内に一人である場合が多いのではないでしょうか。
今回、総合病院でメンタルケアを担う職種として働くメンバーが、仲間と出会い、ざっくばらんに話し合える場を作りたいと考え、この企画を立案しました。
精神科リエゾンチームをはじめとする多職種チームの一員として、同じように働いている同職種と話し合える時間と、多職種と(他の職種たちと)で話し合える時間を、ともにもうけたいと考えています。気楽に参加いただけるよう「多職種おしゃべりサロン」というネーミングにしました。
まず、同職種と同士で話し合い、悩みや気持ちを分かち合う時間を作り、その後はいくつかのテーマに沿って多職種で知恵を出し合って話し合いを行う時間の2段階に分かれ、交流を目的としたワークを行います。答えを出すわけでなく、仲間を得て明日への活力になるような、役にたち、さらに楽しい、そんな時間にしていきたいと考えます事前申込制にします(大会ホームページから申し込み予定)が、お部屋の大きさに余裕がある場合は、当日参加も可能です。当日「行ってみようかな?」と思われる方は、どうぞ部屋をのぞいてみてください。

【ワークショップ3】ECTの症例グループディスカッション(ECT委員会)

開催日時 11月29日(金)13:50~15:50 (第7会場 3F 中会議室B1+B2+B3)
申込方法 事前申込
申込締切 空きがあれば当日も参加可
定員 30名

例年参加者からの好評を得ている電気けいれん療法(ECT)のワークショップを本年も開催させていただきます。
当企画は、教科書的な対応だけでは解決が困難なECTを行う際の諸問題について、知識や技術を地域の枠を越えて共有し、本邦におけるECT技法を高い水準で均てん化することを目的としています。セッションでは架空症例の呈示に始まり、適応、リスク評価、技法に関する複数の設問について4-5人程度の小グループで話し合った上で発表、質疑、解説を行います。

今年度はあまり取り上げられることのないカタトニアのスコアリング方法、ならびに昨年末に承認され本年より使用可能となったサイマトロンモデル200を用いた刺激パラメータ調整の計2つの設問を予定しています。例年同様、笑えて為になるワークショップを目指しますので是非ご参加ください。

【ワークショップ4】今日から始める周産期メンタルヘルス~「こんな時どうする?」を考えよう(若手委員会)

開催日時 11月29日(金)15:10~16:40 (第6会場 3F 中会議室E1+E2)
申込方法 事前申込
申込締切 11月24日(日)空きがあれば当日も参加可
定員 30名

周産期メンタルヘルスの重要性は近年精神科や産科だけでなく行政にも広く認知されるようになり、その対応は病床をもつ総合病院精神科に限らない様々な精神科臨床で求められるようになりつつある。しかし未だに苦手意識の声もあり、また各専門領域共通の課題として若手への魅力の訴求がある。そこで、周産期メンタルヘルス委員会と若手委員会の合同で初学者向けのワークショップを企画した。本ワークショップでは、外来での妊娠報告時や産科からのコンサルト時など総合病院精神科医が周産期関連で遭遇し得る場面を想定し、基本的な4つの課題について小グループでディスカッションを行い、教科書では得られない気付きを持って帰ることを目標としている。グループ発表の後に、周産期メンタルヘルス委員会の委員を中心としたエキスパートがフィードバックを行い、また適宜質疑応答に応じる予定である。専攻医を中心とした若手だけでなく、今まで周産期に苦手をもっていた会員など広く参加を募り、日々の臨床に活かすことができれば幸いである。

【ワークショップ5】臨床倫理コンサルテーションにおける精神科医の果たす役割

開催日時 11月29日(金)16:00~17:30 (第7会場 3F 中会議室B1+B2+B3)
申込方法 事前申込
申込締切 空きがあれば当日参加可
定員 30名

医療の高度化と超高齢社会の到来に伴い、医療の提供の複雑さは増している。高齢者の診療機会が増え、治療のゴールも見えにくくなった。
このような状況に対して、支援体制を組織の中に整備することが重要である。「臨床倫理コンサルテーション」は、現場の医療従事者からの相談を受け、実際に実施可能な助言や支援を提供することで、倫理的な問題を抱える医療を少しでも進めることを目指した取り組みである。近年では「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針(厚生労働省2022年)」で、臨床倫理的な問題を解決するためのカンファレンスの開催が求められているなど、その設置が強く求められるようになった。
臨床倫理コンサルテーションの対応の中には、患者の意思決定や医療の質、倫理的な規範など、多くの要素を取り上げ、情報を収集・整理し、事実と価値観を区別しながら、比較をし、そのプロセスを確認・記録しながら判断を加えていく。精神科医もその中に加わり、意思決定支援や社会的支援の調整等で果たす役割は大きい。
ここでは精神科医が臨床倫理コンサルテーションに参加した事例を共有しつつ、精神科医の専門知識と経験が、倫理的な問題解決にどのように寄与できるかについて検討する。

【ワークショップ6】そろそろ 動機づけ面接(MI)を使えるようになろう! ~入門ワークショップ~(アルコール・アディクション対策委員会)

開催日時 11月29日(金)16:50~18:50 (第6会場 3F 中会議室E1+E2)
申込方法 事前申込
申込締切 11月22日(金)空きがあれば当日参加可
定員 30名

動機づけ面接(Motivational Interviewing以下MI)が「依存症者の行動変容に実際に有効であったアプローチからそのエッセンスを抽出する」という手法で開発され、研修内容も研修手法も公開され、多くの英知を集めてアップデートされ続けて40年が経過した。
既に北米や欧州の多くの国では「援助職が養成課程で学ぶカウンセリングのプラットフォーム」と認識され、全世界で4000名以上のMINTトレーナーが活躍している。
しかし、日本では、まだまだ依存症関連分野でさえも、MIのトレーニングを実際に受けた臨床家は少ない。
AA委員会では、2014年にMINTトレーナーとなった委員長・小松に続き、2023年に副委員長・白坂もMINTトレーナーとなったのを機に、リエゾン精神科医・スタッフの臨床力量の均てん化のためにも、定期的にMIのワークショップを開催していきたいと考えており、今回はその第一弾となる。

【ワークショップ7】多職種での認知症症例検討-より適切な診断と対応をめざして-
(認知症委員会)

開催日時 11月30日(土)10:25~11:55 (第6会場 3F 中会議室E1+E2)
申込方法 事前申込
申込締切 11月24日(日)
定員 24名

認知症委員会では、会員および学術総会参加者の認知症対応スキルの向上や情報交換の目的で学術総会における多職種での症例検討ワークショップを過去3回開催し、いずれも多くの参加者から好評を得た。第37回大会でも、当委員会は多職種での症例検討ワークショップの開催を希望する。委員会内での検討の結果、今回は「限られた検査環境の中で、予め準備された症例の診断とマネジメントを考える」という設定のもと、認知症の原因疾患として多くはないが見逃したくない疾患について検討できるよう症例を準備する。参加対象は全職種とし、5名前後の多職種で構成されたグループ毎に検討を行う予定である。難しすぎずかつアドバンスな内容を取り入れたワークショップにしたい。

【ワークショップ8】GHP知恵袋ーエキスパートと考える明日のリエゾン診療ー
(若手委員会)

開催日時 11月30日(土)13:10~15:10 (第6会場 3F 中会議室E1+E2)
申込方法 事前申込
申込締切 11月29日(金)空きがあれば当日参加可
定員 30名

本ワークショップは昨年の総会でも開催した「GHP知恵袋」の作成と、若手とコンサルテーション・リエゾン精神医学のエキスパート、多職種の交流を目的としたワークショップの第2弾である。
2022年に若手委員会で実施した「初期・後期研修医における精神疾患についての困りごとに関する全国調査」において自殺、せん妄、抗精神病薬、コンサルテーション、家族対応の5つの臨床疑問が抽出された。これらのテーマはリエゾン精神科医にとって普遍的でかつ重要なものであり、若手委員会では継続的にディスカッションを重ね、「GHP知恵袋」を作成することを現在目標としている。
今回は、自殺、せん妄をテーマにワークショップを開催する。、テーマごとに各領域のエキスパート(指定発言)とファシリテーター(若手医師)を配置しワールドカフェ方式でグループワークを行う。
GHP知恵袋には様々なバックグラウンドをもつ方の知識や経験を取り入れたいと考えており、若手医師に限らず、幅広い年代や職種の方の参加を期待する。

【ワークショップ9】コラボだヨ!全員集合(広報委員会)

開催日時 11月30日(土)15:20~16:50 (第6会場 3F 中会議室E1+E2)

参加型でコンサルテーション・リエゾン精神科に関するコラボレーション企画(他の領域との連携に関する企画)を考えるアイディアソンを実施いたします。
アイデアソンとは、アイデア(Idea)とマラソン(Marathon)を掛け合わせて造られた造語です。特定のテーマを決めて、そのテーマについてグループ単位でアイデアを出し合い、その結果を競うというイベントです。
今回のテーマは 「ご自分の関心領域や専門領域と精神科のコラボレーションで、思わず参加したくなるイベントとは?」で、時間内にアイディアを考えていただきます。特に事前準備はいりませんが、事前にアイディアを考えた上でご参加いただいても構いません。
ワークショップ内で人気の企画は、広報委員会企画としてセミナーあるいは次回総会時企画として実施する予定です。参加者の皆さまと思わず参加したくなるような企画を考えられることを楽しみにしております。奮ってご参加ください。