上妻 謙
帝京大学医学部
内科学講座・循環器内科
主任教授
上妻 謙
帝京大学医学部
内科学講座・循環器内科
主任教授
このたび第37回冠疾患学会の内科系会長を拝命いたしました帝京大学循環器内科の上妻です。2024年11月29日、30日に東京にて現地開催させていただきます。
未曾有の超高齢社会による経済危機、働き方改革実施による医療崩壊の危機が現実味を帯びてきた昨今ですが、この難局を乗り切るためにはイノベーションが重要で、従来の診療手法、情報収集にこだわらない効率化が求められます。また安定冠動脈疾患に関しては、血行再建の適応が厳格になった一方、非閉塞性冠動脈疾患(INOCA)の重要性が明らかになり、世界的に胸痛診療の考え方が大きく変化しましたが、臨床現場での対応が大きく遅れている状態です。本学会では、テーマを「冠血行再建の未来を探る」とし、外科系、内科系とも残された課題と新技術を主にとりあげてこれからあるべき冠動脈疾患診療について議論していきたいと思います。特に循環器内科・外科を専攻する後期研修医を増やす方法、循環器救急診療のありかた、遠隔診療・ICTの活用など、喫緊の課題についても取り上げていきたいと存じます。一般演題は口演のみとし、メタバースにて発表・ディスカッションを行い、視聴は遠隔からも可能として病院を離れにくい若手も参加しやすいようにしたいと思います。
多くの皆様に、本学術集会で議論していただけます様お願い申し上げます。
下川 智樹
帝京大学医学部
心臓血管外科学講座
主任教授
このたび第37回冠疾患学会の外科系会長を拝命いたしました帝京大学心臓血管外科の下川です。2024年11月2930日(金・土)に、東京駅近くの東京コンベンションホールで現地とメタバース空間で開催させていただきます。本学会学術集会を担当させていただきますことは大変光栄であり、会員の皆様に心から感謝申し上げます。
今回のテーマは「冠血行再建の未来を探る」です。近年、安定狭心症に対する治療方針が少しずつ変化し、標準治療であった血行再建療法も今や大幅な見直しの時期をむかえています。中等度以上の虚血が証明された安定狭心症に対して、至適薬物療法に早期の侵襲的治療法(PCI,CABG)を追加しても生命予後の改善や心血管イベントの抑制効果はあまり期待できない結果であったことから、ガイドラインでは侵襲的治療法の推奨度が格下げされました。これに対しこのガイドラインに参加していない外科系学会から反論の声明が発表されています。本学術集会は内科医と外科医が一緒に冠疾患に関する議論を深める数少ない場であり、冠血行再建の方向性について熱い議論の場にしたいと思っています。この他、冠疾患学の臨床・研究の発展、超高齢者社会における心不全パンデミック等、国民の健康に帰還する主要命題に加えて、循環器医・外科医離れ、働き方改革、施設集約化等、我々を取り囲む重要課題についても取り上げます。
晩秋の東京は、美しい庭園で紅葉が見頃を迎える時期でありクリスマスの雰囲気を楽しむこともできます。この地あるいはメタバース空間で皆様にお会いできることを心から楽しみにしております。