学会長ご挨拶
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- 地域医療を守る ~チームで挑む、再生と未来~
- 第59回全国自治体病院学会
- 学会長 松本 昌美
(南和広域医療企業団 南奈良総合医療センター 院長)
第59回全国自治体病院学会を、2021年11月4日(木)、5日(金)の2日間にわたり、「奈良県コンベンションセンター」、「なら100年会館」を会場に開催いたします。まずは新型コロナウイルス感染症のために、1年延期させていただきましたことをお詫び申し上げますと共に、コロナ禍にあって自治体病院の真価を発揮して最前線で地域医療を守っていただいている皆様に、心からの敬意と感謝の意を表します。
今回の学会テーマは「地域医療を守る~チームで挑む、再生と未来~」です。人口減少、少子高齢化などにより社会情勢が大きく変化し、コロナ禍による急激な社会変化もあって医療を取り巻く環境はさらに厳しさを増しております。地域医療を支える最後の砦である自治体病院は、地域において必要な医療を安定的かつ継続的に提供していくため、効率化の視点のみで論じるのではなく、地域や医療現場の実情と新型コロナウイルスなどの感染症対応を考慮したうえで地域医療構想の実現、地域包括ケアシステムの構築を目指すべきと考えます。そこで「医師の診療科および地域偏在対策」、「働き方改革」を踏まえながらwith コロナ時代において地域医療のあるべき姿、さらには2025年、そしてその先の未来において、病院および職員がチーム一丸となって地域医療をいかに守っていくかを議論したいと考えています。
本学会は、新型コロナのワクチン接種も広がってきたことから、感染対策を徹底して現地参加型を基本としたWEB併用のハイブリッド方式としています。総会特別講演、総会シンポジウム、10の分科会での特別講演とシンポジウム、さらにモーニング、ランチョン、イブニングセミナーを企画いたしました。一般演題発表については、WEB閲覧併用のポスターセッションとして質疑応答のみを行い、全てのプログラムのオンデマンド配信も予定しています。
天然痘と戦い、興福寺に施薬院と悲田院を創設し、医療、福祉の礎を築いた光明皇后の心が息づく奈良の地において、コロナと戦う皆様と地域医療の未来を共に考える有意義な会になるよう奈良県の自治体病院が総力をあげてお世話させていただきます。
奈良には「法隆寺地域の仏教建造物」、「古都奈良の文化財」、「紀伊山地の霊場と参詣道」という3つの世界遺産があり、秋たけなわの見所も数多くあります。皆様お誘いあわせのうえ、ご参加を心よりお待ちしております。