大会長挨拶
第70回北海道薬学大会 大会長
(一般社団法人 北海道薬剤師会会長)
有澤 賢二
昨年、一昨年の北海道薬学大会は、新型コロナウイルス感染症の影響により、Web開催といたしました。
今年の第70回北海道薬学大会は、第66回大会以来となります現地開催として、5月20日(土)・21日(日)の両日、札幌コンベンションセンターにて開催いたします。
この大会は、北海道内の薬事・薬業関係者が一同に会し、日頃の調査・研究活動を発表し、また、情報交換を通して、薬剤師の資質向上を図ることを目的としており、第69回大会はWeb開催にもかかわらず2,300名を超える参加をいただきました。
さて、薬剤師・薬局における喫緊の課題として、来年度実施される薬価中間年改定、物価高騰、規制改革会議関連における課題、医療DXの推進、セルフケア/セルフメディケーションの推進等の対応に取り組んでいるところです。
医療DXの推進においては、オンライン資格確認の基盤整備と令和5年4月からの義務化、令和5年1月からの電子処方せん運用開始と認証カードとしてHPKIカード取得など薬剤師・薬局が推進する等といった多くの事項があります。
第8次医療計画の策定に向け、基本方針や医療計画作成指針が改定される予定となっており、今後、薬剤師・薬局は地域におけるチーム医療の一員として、地域包括ケアシステムの一翼を担うべく、使命を果たしていくことが求められております。
さらには、混乱する時代においても薬剤師には、医薬品提供体制を維持し、地域貢献を果たす責務が求められております。
このようななか、2022年度の調剤報酬改定では従来の調剤料、薬剤服用歴管理指導料の評価に関する業務内容を整理し、薬剤調製料、調剤管理料、服薬管理指導料に組み換えた調剤報酬体系が再編され、対物から対人中心への構造転換を図り、薬剤師業務の見える化が進んでおります。
薬剤師・薬局を取り巻く環境が大きく変わりつつある中で、全ての薬剤師・薬局の能力及び機能の向上を図ると共に、国民が適切な薬局の活用方法を理解できるよう、薬局の機能や薬剤師の職能について周知・啓発し、更に医薬分業のメリットを実感してもらえるよう引き続き取り組むことが重要であります。
第70回北海道薬学大会は、第66回大会以来の現地開催となり、各種講演、セミナー、口頭発表、ポスター発表、展示会等、薬剤師としての原点を見直し、さらに医療人として、安心・安全な社会への貢献ができる薬剤師を目指すとともに、社会に見える薬剤師へ近づき、薬剤師への評価が高まるように願っております。
本大会が、皆様にとってより一層の研鑽の場、実り多い交流の場となるよう万全の準備を進めておりますので、多数のご参加を心よりお待ち申し上げます。