大会長挨拶
この度、2025年11月28日(金)・29日(土)の2日間にわたり滋賀県 大津市民会館・大津公民館にて、第13回日本難病医療ネットワーク学会学術集会・第30回日本難病看護学会学術集会・第11回神経難病リハビリテーション研究会の合同学術集会を難病支援学術コンソーシアムとして開催させていただくこととなりました。スローガンを「つながりが支える難病の新時代」とし、専門的な多職種連携によって難病医療やケアの向上を目指すものであります。
近年、難病の原因解明が進展し、核酸医薬をはじめとする革新的な治療方法の開発が飛躍的に進んでいます。このような進展により、難病という言葉の意味やイメージは、10年前と比べて大きく変わりつつあります。かつて「原因不明で治療法のない病気」とされてきた多くの難病が、今やその姿が浮き彫りとなり、治癒の可能性が見える時代になっています。
しかし、その一方で新たな課題も浮上しております。特に、地域における難病患者のサポートネットワークが十分に整備されていないため、患者やその家族が適切な情報やサポートを受けられない状況が続いています。また、小児から成人への移行期の医療における必要性が長らく叫ばれておりますが、その体制の構築はまだ十分とは言えません。このような状況が治療やケアの課題として立ちはだかっています。
これらの先端医療や疾患特異的なケアを対象患者に広く届けるためには、単一の職種のみの連携では不十分であり、「気づき」と「次につなげる」専門的な多職種チームの連携こそ、最も重要です。本大会のテーマである「つながりが支える難病の新時代」には、3大会長のそのような思いが凝縮されています。本大会では、専門医やかかりつけ医、看護師や保健師、リハビリテーション療法士、栄養治療士、メディカルソーシャルワーカー(MSW)、薬剤師、訪問看護師、ヘルパーや医療政策担当者など、難病患者の診療やケアに携わる多くの専門家が参加いたします。これにより、学術的な交流を深める場として、また、患者やその家族と医療従事者との連携をさらに強化する貴重な機会としております。
本大会では、上記の課題を踏まえ、難病診療やケアの最前線での研究成果や実践的な取り組みを共有することで、患者のQOL(生活の質)向上を目指します。そして、本大会を通じた難病ネットワークの質的・量的向上によって、日進月歩の難病時代に患者の早期診断や早期治療・ケア介入が促進されることを信じて疑いません。
2025年秋の紅葉が広がる滋賀にて多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
謹白
2024年10月吉日
難病支援学術コンソーシアム 大会長
- 第13回日本難病医療ネットワーク学会学術集会 大会長
- 滋賀医科大学 内科学講座脳神経内科 教授
- 漆谷 真
- 第30回日本難病看護学会学術集会 大会長
- 武庫川女子大学 看護学部成人慢性看護学分野 教授
- 布谷 麻耶
- 第11回神経難病リハビリテーション研究会 大会長
- 滋賀県立総合病院リハビリテーション部 部長
- 中馬 孝容