会長挨拶
第54回日本小児感染症学会総会・学術集会
会長 楠原 浩一(産業医科大学小児科学教室 教授)
第54回日本小児感染症学会総会・学術集会を2022年11月5日(土)、6日(日)の2日間、福岡市のアクロス福岡で開催させていただきます。日本小児感染症学会は、その前身である日本小児感染免疫研究会と日本小児ウイルス病研究会が 1969 年と 1970 年に発足してから半世紀以上にわたり、わが国における小児感染症学と小児免疫学の発展に貢献してきました。このように長い伝統をもつ本学会を担当させていただき、大変光栄に感じますとともに、身が引き締まる思いです。
今回の学術集会のテーマは「感染と免疫、GlobalとLocal、両輪で拓く小児感染症学の未来」といたしました。2019年末に中国から始まり、またたく間にGlobalに拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、Localなレベルでも社会、人々の生活そして医療をかつてないほど急激に変えてしまいました。その中で、ワクチンの開発、接種をきっかけに感染と免疫の密接な結びつきが一般の方々に広く知られるようになりました。また、医学的知見や診療、感染対策などの面ではGlobalとLocalが双方向性に作用して進歩をもたらすことが再認識されました。本学術集会におきまして、これら2組の両輪の重要性を意識しながら、お互いに得た知見や経験を共有して議論を深めることができ、それがわが国における小児感染症と小児免疫疾患の診療および研究のさらなる向上につながれば幸いです。
学術集会の内容といたしましては、上記のテーマに沿って、3つの特別講演・招待講演、6つのシンポジウム・ワークショップ、10の教育講演を企画いたしました。特別講演は細菌のメタゲノム解析の第一人者である九州大学の林哲也先生にお願いしており、招待講演では、米国Vanderbilt UniversityのJames E. Crowe Jr.先生にCOVID-19を含む新興感染症に対するヒトモノクローナル抗体の臨床応用について、韓国Korea University の Yun-Kyung Kim先生にインフルエンザワクチンについてそれぞれお話しいただく予定です。また、女性医師の活躍をテーマとする特別企画と「English Session」も行うことになりました。
COVID-19拡大の影響を受けて、第52回はWeb開催、第53回はハイブリッド開催となりました。昨今の状況に鑑みて早期の収束が見通せないことから、本学術集会もハイブリッド開催とする方向で準備を進めております。現地会場では、感染防止対策の徹底に取り組んでまいります。COVID-19の状況が一刻も早く落ち着き、少しでも多くの方々に福岡にお越しいただいて、対面での活発な情報交換や交流が行われることを願っております。また、福岡の 11月は気候もよく、いろいろな食材に恵まれて食べ物も美味しい季節ですので会場外でもお楽しみいただければと思っております。
多くの皆様のご支援を得て実りある学術集会になることを祈念しております。奮ってご参加くださいますようお願い申しあげます。