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会長挨拶

三谷 義英

第61回日本小児循環器学会総会・学術集会
会長 三谷 義英
三重大学医学部附属病院 周産母子センター

 この度、第61回日本小児循環器学会学術集会(2025年7月10日〜12日)を、三重県総合文化センター(三重県津市)にて開催することとなりました。本学会学術集会の三重県での開催は初であり、身の引き締まる思いでございます。

 本会は、小児期発症の心血管疾患患者さんに、生涯医療を視野に置いて、より良い医療・保健を提供することを目的とする学術集会です。今回の学術集会のテーマは「小児循環器学、医療と保健の未来を紡ぐ:New Paradigm, Networking and Inclusiveness for Children and Beyond」としました。近年、本学会を取り巻く環境の変化には、目まぐるしいものがあります。2018年、本学会の活動に直結する脳卒中・循環器病対策基本法、成育基本法が成立し、2020年、2021年にそれぞれの基本計画、基本方針が発表されました。2022年、医療DXを推進する方針が発表され、2023年にこども家庭庁が発足しました。医学、医療、保健及び福祉の充実に向けて、新たな視点から領域横断的に多領域と連携した取り組みが始まっています。医療面では、数々の新しい薬剤とデバイス治療が出現し、胎児期・新生児期のスクリーニング、学校心臓検診などによる早期診断、児童生徒の自立支援、成人への移行医療・支援が進み、生涯にわたる医療保健体制の更なる充実が期待されています。また研究面では、再生医療、ゲノム科学を含む基礎研究の推進に加えて、データベース研究、予防、早期診断・治療につながるデバイス・アプリの開発など工学、データ科学と連携した研究が進んでいます。このように小児循環器・成人先天性心疾患領域の医学、医療、保健の課題を新たなパラダイムから捉え直し、枠に縛られないネットワークを形成し、患者を中心に据えた包括医療を実現することが、本学会のテーマとなります。

 本学会は、昭和40年の研究会創設当初から小児循環器と心臓外科の専門家が参加してきた国際的にもユニークな学術集会です。最近では、循環器内科医、集中治療医、産婦人科医、基礎研究者、看護師、臨床工学士、薬剤師、生理検査技師など多科多職種の医療者も含めて一堂に会する学会に発展しています。また、周産医療体制と医療技術の進歩により先天性心疾患患者の95%は成人に達し、幅広い年齢層の患者を対象にした点で小児科領域から見ても特徴のある会と言えます。本学術集会のこれまでの参加人数は約2,000名、約800演題の研究発表がなされています。特別講演、欧米からの招請講演、アメリカ心臓学会(AHA)・欧州小児心臓学会(AEPC)・台湾小児循環器学会(TSPC)、国内諸学会との共催企画、特別セッション、一般演題の発表があります。アジアからの参加者も多く、AHA、AEPCとともに、世界の3大小児循環器学会の一つとなっています。

 開催地の三重県津市は、各地からの交通の便が比較的良好です。私鉄で名古屋から50分、大阪難波から80分、フェリーで中部国際空港から45分です。ご参加の機会に、伊勢神宮とおかげ横丁・おはらい町、伊勢志摩に足を延ばしていただければと思います。多くの皆様にご参加いただき、熱い討論と楽しい交流の場になることを期待しております。

  • 主催校事務局

    三重大学医学部附属病院 周産母子センター
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