第41回日本神経治療学会学術集会
会長 服部信孝
順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科 教授
理化学研究所脳科学研究センター神経変性疾患連携研究チーム チームリーダー
第41回日本神経治療学会学術集会
会長 服部信孝
順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科 教授
理化学研究所脳科学研究センター神経変性疾患連携研究チーム チームリーダー
この度、2023 年11月 5 日(祝・金)~7日(日)の3日間、第41回日本神経治療学会学術集会を、「近未来的治療戦略を提案する:未病を知る・防ぐ・治す」 をテーマとして、グランドプリンス ホテル新高輪 国際館パミール(東京都港区)に於いて、開催させていただく運びとなりました。 現在、開催に向けて鋭意準備を進めております。
長らく神経内科の多くの疾患は治せない時代を経験しておりましたが、少なくとも神経免疫疾患の代表格である多発性硬化症や視神経脊髄炎では分子標的薬が次々に承認され、再発を予防出来る時代を迎えております。私が専門とするパーキンソン病では、前駆症状として便秘、嗅覚障害が注目され、特にリスク群であるレム睡眠行動異常症に注目したパーキンソン病発症予防のための運動症状発症前biomarkerの特定(Japan Parkinson’s Progression Markers Initiative) が開始されています。また分子生物学の進歩の恩恵を受けて未診断疾患イニシアチブ (Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases: IRUD)の研究開発プロジェクトも始まっております。核酸医療の実臨床への応用も進んでおり、脊髄性筋萎縮症に臨床応用されているヌシネルセンはその代表格であり、これまで治療不可能とされていた疾患が治療可能となった時代を迎えています。また早期アルツハイマー病においてもアミロイドを除去可能なレカネマブの進行阻止効果が示されています。何れも早期治療介入が有効であるのは間違いなく、早期診断の重要性が明確になっております。このような背景を考え、”未病”を学術集会のキーワードとしました。2020年から始まったCOVID-19のパンデミックも、2023年はアフターCOVID-19を視野に更なる神経治療開発の発展を目指せると確信しております。
本学術集会では、あらゆる神経疾患の治療に関する最新情報を提供するとともに、AIやデジタル技術を応用した新たな神経疾患の診断やオンライン診療システムについてもシンポジウムなどを予定しています。海外の第一線の臨床家や研究者も招聘したいと考えております。
COVID-19感染の状況は、2023年秋までには落ち着き日常を取り戻していると予想しております。会場は全国からの交通アクセスが良い品川で開催しますので、是非とも対面主体での運営を考えております。参加される皆様が有意義な時を過ごせますように、企画運営関係者一同、意義ある学術集会となりますように準備致しますので、多くの皆様方のご参加をお待ちしております。