会長挨拶
第59回日本腹部救急医学会総会
会長 袴田 健一
弘前大学大学院医学研究科
消化器外科学講座・小児外科学講座
この度、第59回日本腹部救急医学会総会会長を仰せつかり、2023年3月9日(木)・10日(金)の2日間、沖縄コンベンションセンターにおいて開催させていただくこととなりました。日本腹部救急医学会総会を弘前大学が担当させていただくのは、2003年に前任の佐々木睦男名誉教授が開催されて以来20年ぶり、2回目となります。我が国の腹部救急診療を担う外科医、内科医、救急医、放射線科医、内視鏡科医ら5000人余の会員を擁する本学会総会を再度主催させていただくことは、この上ない栄誉であると共に、その重責に身の引き締まる思いです。
さて、今回のメインテーマは本学会の理念そのままに「腹部救急診療から始まる若手育成」といたしました。指導医と若手医師が一堂に集い、領域横断的な本学会の特徴を活かして日頃の腹部救急診療の課題を共に議論し、先輩の厳しくも暖かい指導の下で、若手は先輩を乗り越えるほどに成長してほしいとの思いからです。さらに、サブテーマを「卓越したHeart, Head, Handを目指して」といたしました。Heart, Head, Handは外科医に求められる資質を端的に示した言葉で、古く17世紀のヨーロッパの外科に起源を有します。「悠然とかつ情熱的なHeart、眼光鋭い観察と深い思慮を示すHead、女性の手Handのように柔らかな施術」は今に生きる言葉で、専門分野にかかわらず腹部救急診療に関わる医師すべてに求められる資質かと思います。私共の同門会がHeart, Head, Handの3つの頭文字Hのドイツ語発音(ハー)を文字って三葉会と申すことにも因んでおります。
今回は、私共と人事交流のある教育病院が沖縄に複数に所在すること、沖縄は戦後アメリカの影響下に救急医療の充実が図られてきた歴史を有すること、奇しくも沖縄は2022年5月に本土復帰50周年を迎え2023年は新たな50年の始まりの年にあたることから、沖縄での開催とさせていただきました。
3月の沖縄は最も気候の穏やかな時期です。是非多くの皆様のご参加をお待ちしております。