会長挨拶
この度、第26回日本成人先天性心疾患学会 総会・学術集会を2025年1月10日(金)から12日(日)まで大阪国際会議場にて開催させていただくことになりました。貴重な機会を頂き関係の先生方に深謝申し上げます。国立循環器病研究センター主催は第5回の宮武邦夫先生(心臓血管内科)、第8回の八木原俊克先生(小児心臓外科)、第12回の千葉喜英先生(周産期科)、第18回の市川肇先生(小児心臓外科)に次いで5回目の開催となります。当院ではACHDセンターが立ち上がり多忙な診療の中、教育そして研究に心臓血管内科、心臓外科、小児循環器、産婦人科、移植医療の先生方、そして看護スタッフとともにACHD患者のQOL向上に努めています。1977年の当院開設から48年が経ち、当院で診療を受けられている先天性心疾患患者の多くは成人期を迎え、様々な人生を過ごされています。
今回のテーマを「Something four in ACHD」と致しました。これは英国のある詩の一節から引用させて頂いた言葉です。伝統的な結婚式の演出で花嫁に幸せをもたらす「4つの物」、即ち、新しい物、古い物、借りた物、そして青い物です。この概念はACHD診療でも是非取り入れたい「something」と思い今回のテーマとさせていただきました。ACHD患者の将来のQOL向上(幸せ)にはやはり新しい物、古い物、借りた物、そして青い物が不可欠と感じています。常に新しい知見を求め(something new)、偉大な過去の知見を踏まえ(something old)、他領域との知見と連携のもと(something borrow)、誠実な思いで(something blue)ACHD患者の診療を心がける必要があるように感じます。今回のプログラムもこの4つのsomethingを意識した内容で構成させていただきました。最新の知見、原則の確認、臓器連関、そして生活支援・緩和医療をサブテーマとして有意義な議論と様々な思いを展開していただければ幸いと思います。