第3回日本腫瘍循環器学会学術集会

会長挨拶

  • 第3回日本腫瘍循環器学会学術集会 会長
    斎藤 能彦(奈良県立医科大学 循環器内科学教室 教授)

 COVID-19の感染状況は予断を許さず医療現場の緊張は続いており、皆様におかれましては大変ご多忙のことと拝察いたします。最近のCOVID-19の再燃、再拡大の状況を鑑みまして、第3回日本腫瘍循環器学会はLive配信/オンデマンド配信のみにて開催する運びとなりました。
 腫瘍循環器学会は、がん専門医と循環器専門医が連携することで、がん患者の循環器疾患による死亡リスクが軽減し、QOLが改善することを目標に設立されました。そして、2018年に第1回の腫瘍循環器学会が開催され、腫瘍内科、循環器内科、放射線科、病理医だけでなく、薬学、看護からも臨床家・研究者が集まりました。第2回の学術集会では医師のみならず、多くの領域・職種の医療従事者での連携がテーマになり、活発な議論がなされました。
 第3回目の学術集会でも、がん専門医と循環器医、さらに多職種を含めた連関と情報の共有が重要であると考え、テーマは「Beautiful Harmony of Onco-Cardiology」とさせて頂きました。近年では新規分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などすぐれた効果が期待される薬剤が、心毒性や血栓症を引き起こすことが明らかになりつつあります。そのため新しい癌治療薬を広く浸透させ安全に遂行するためには、医療従事者間での情報の共有と、薬剤が循環器疾患に及ぼす機序の解明とその予防が必要になります。抗癌剤による心毒性や腫瘍による血栓症などの循環器疾患に対する機序を追究し、安全に使用するための予防策を議論できるよう、本集会に多くの知見をお持ち寄りいただきたく思います。
 また、新しく病理学的視点からの腫瘍循環器疾患、放射線治療による循環器合併症、小児の癌サバイバーへの対策などもシンポジウムのテーマとして取り上げました。現在の課題を認識し今後の発展に繋がるよう期待しております。さらに、各薬剤に対する理解を深めるために当学会教育委員会主催の教育セミナーも企画致しましたので、コメディカルの皆様をはじめご参加の先生方の診療につながるセミナーになりましたら幸いです。参加者の皆様には特典企画もございますので、是非、多くの先生方にご参加いただけますようお願い申し上げます。
 困難な社会情勢でございますが、がん治療とその循環器合併症対策も差し迫った状況であり、どのような学術集会の形態であれ、全国的な協議を実現出来ますよう鋭意準備をしてまいります。
 最後に、がんと循環器治療の第一線でご活躍をされている皆様のご健勝を心より祈念致します。

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