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jlca2025

会長挨拶

大会長: 福本 巧

第61回日本肝癌研究会

会長  福本 巧

神戸大学大学院医学研究科外科学講座
肝胆膵外科学分野 教授

この度、第61回日本肝癌研究会を2025年7月10、11日の両日、神戸市ポートアイランドの神戸国際会議場にて開催することとなりました。1965年以来の伝統ある本会を担当させていただくことを教室員一同、大変光栄に存じております。このような機会を与えて下さった関係各位の先生方に心から感謝申し上げます。

今回の研究会のテーマは「肝癌集学的治療の一新紀元」としました。2018年のレンバチニブの切除不能な肝癌への適応認可以降、肝癌薬物療法は新たな分子標的薬や複合免疫治療法が次々に登場する幸せな時代が続き、薬剤の使用順序や切替え方法にも大きな注目が集まっています。また更なる治療成績の向上を目指してBorderline ResectableやConversionの定義が提唱されるなど薬物療法と手術、肝動脈化学塞栓療法などの局所療法との併用についても新たな挑戦が始まっています。一方、局所療法では粒子線治療やロボット支援手術などの新規医療技術が登場し、治療アルゴリズムにおけるこれらの技術の位置付けも重要な臨床課題となっています。このように令和時代の肝癌治療は昭和や平成とは質的にも量的にも大きく異なり、多くの薬剤や多くの局所療法の中から最適な順序や組合せで治療法を選択し、効果を最大化することが求められています。このような肝癌治療の状況は新しい時代の幕開けに相応しいと考え研究会のテーマを「肝癌集学的治療の一新紀元」といたしました。

日本肝癌研究会は、その黎明期より肝癌診療に携わる多くの診療科の医師や多分野の研究者が集い、自由に意見を交換する場として発展してきました。研究会での論議は診断、病態解明、治療法など肝癌診療のすべてを網羅し、その成果は我が国の非常に良好な肝癌治療成績として結実するとともに、世界の肝癌診療を牽引してきました。今回の研究会ではそのすばらしい伝統を引継ぎ、次時代に必要とされる肝癌診療について衆知を集め、多様な視点からの意見交換を行う場としたいと考えています。

今回の第61回日本肝癌研究会は6年ぶりに日本が担当するThe 15th Asia-Pacific Primary Liver Cancer Expert Meeting (APPLE2025)との連続開催となります。多くの海外の先生方に日本肝癌研究会にも参加いただけるようにHPの一部は英文併記にしたいと思います。APPLE2025は、世界中から集まる肝癌の専門家との貴重な交流の場で、国際的なネットワークの構築や最先端の研究情報に触れることができる絶好の機会です。教室員一同、鋭意準備を進めてまいりますので、会員の皆様方におかれましては是非、両会へ御参加いただきますよう宜しくお願い申し上げます。

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