学会長ご挨拶
- 医療の源流と新時代の潮流 -藍・AI・愛-
- 学会長 香川 征(徳島県病院事業管理者)
第58回全国自治体病院学会を、2019年10月24日(木)、25日(金)の2日間にわたり、徳島市の「アスティとくしま」、「むらさきホール」を会場として開催いたします。
今回の学会テーマは、「医療の源流と新時代の潮流」とさせていただきました。
徳島では「潮見表」が新聞にも掲載され、潮干狩りや釣りは勿論、鳴門の渦潮の大きい潮時を調べるなど県民生活に密着したものとなっています。現実の世界には、時代の潮流を予測する「潮見表」は実在しませんが、医療の源流を改めて見直すとともに大きな時代の潮流を読み、それに先手先手で手を打つことの大切さは論をまちません。
現在、「人口の減少と高齢化」さらには「医師の診療科及び地域の偏在」など、住民に身近な「地域医療」は大きな岐路に立っています。また、「働き方改革」など自治体病院を取り巻く環境は複雑さを増しています。
このような社会環境の中、住民が安心して暮らせる「地域社会」では、地域医療の重要性が改めて認識され、自治体病院が「なくてはならない存在」となっています。
徳島県は人口10万人あたりの医師数こそ全国トップクラスではありますが、地域偏在は大きく、とりわけ南部や西部は手薄な状況にあり、これらの地域の医療を支え、中心となっているのは自治体病院です。
「地域医療」、ひいては「地域社会」を守るためにも、私達「自治体病院」が常に新しい医療の潮流を読み、経営努力を重ねることで、存在感を発揮することが何よりも大切です。
「地域医療は我々が守る」との先人の熱い思いに今一度立ち返り、「自治体病院のこれから」を大いに議論し、「新しい姿」を探りたいと思います。
本学会では、総会特別講演、総会シンポジウム、10の分科会を予定しているほか、デジタルポスターセッションも計画しています。
徳島県は、太平洋、紀伊水道、播磨灘の3つの海、西日本第2の高峰、剣山をはじめとする緑豊かな山々、日本三大河川の1つ四国三郎・吉野川などの川に囲まれ、阿波踊りをはじめ本大会のシンボルカラーでもある藍や人形浄瑠璃など、豊かな風土に培われた文化にも恵まれた地です。この機会に是非、徳島の各地へ足を伸ばしていただければと存じます。
2019年秋、全国から多数の方々のご参加を心からお待ちしております。