会長挨拶
第90回日本感染症学会西日本地方会学術集会
会長 渡邊 浩
( 久留米大学医学部 感染制御学講座 )
このたび、第90回日本感染症学会西日本地方会学術集会の会長を拝命いたしました久留米大学の渡邊浩です。第63回日本感染症学会中日本地方会学術集会会長の藤田直久先生と第68回日本化学療法学会西日本支部総会会長の栁原克紀先生とともに、2020年11月5日(木曜日)~7日(土曜日)に福岡市にて合同学会を開催させて頂くことになりました。会場のアクロス福岡は福岡空港より地下鉄で約10分、JR博多駅より地下鉄で約5分とアクセスが良く、九州最大の繁華街である天神に位置し、有名な歓楽街である中洲も徒歩圏内ですので、学会後の福岡も楽しんでもらえると幸いです。
本学会は「みんなで考える感染症と化学療法」をテーマとしました。感染症にはインフルエンザや結核のように毎年問題になる疾患だけではなく、新興・再興感染症や薬剤耐性菌の問題、あるいはグローバル化に伴う麻疹や風疹などの流行など様々な問題があり、感染症の診断、治療および感染対策も大きく変化してきています。医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師ならびに基礎研究者、製薬企業、検査・診断に関わる企業の方々などに多数参加して頂き、みんなで考え、一緒に様々な問題に取り組んでいければと思います。
現在、プログラムは委員の先生方とともに鋭意作成中でありますが、将来を担う若手のためのセッションや様々な職種の方々に参加して頂けるような工夫を準備しています。是非、多くの皆様に参加して頂き、実りのある学会になることを期待しております。福岡でお会いいたしましょう。
第63回日本感染症学会中日本地方会学術集会
会長 藤田 直久
( 京都府立医科大学 感染制御・検査医学教室 )
感染症は歴史的に人類をこれまで苦しめてきた最も厄介な「病」であることは、だれもが認める事実です。世界の三大感染症である、結核、エイズ、マラリアはいまだに克服できていない感染症です。これに加え薬剤耐性(AMRAntimicorobialResistance)問題は、人類・環境・動物の三つの視点を総合的に「OneHealth」として地球規模で対策をする方向で、世界保健機構(WHO)を中心に全世界の国々が動いています。国内に目を向けると、2019年は海外からの日本への訪問客は3100万人を突破し、日本から海外への渡航者は1900万人と、毎年5000万人が日本の税関を通過していることになります。このような急激な増加は、海外からの感染症の持ち込みが増えることを意味します。さらに地球温暖化による気候変動での自然災害後の感染症増加、あるいは新型インフルエンザを含む新興・再興感染症の発生など、「感染症」による脅威がまさに我々に迫っています。新規の薬剤やワクチンの開発が熱望されている状況です。
このような背景のなかで、三学会合同での本学術集会は、「みんなで考える感染症と化学療法」というテーマを掲げました。医師、薬剤師、臨床検査技師、看護師などの医療系の職種に限定することなく、あらゆる感染症に関わる人々が一同に博多に結集し、「感染症と化学療法」について、基礎から臨床まで、予防から治療まで幅広く、かつ熱く議論し、日本の将来、そして地球の未来について真剣に考える機会になればと思っております。感染症を専門にしている方のみならず、感染症に興味のある方にとっても、「感染症と化学療法」の二つのキーワードをもとに有意義な時間を過ごせるよう、しっかり準備し、みなさまのご参加を心よりお待ちしております。
第68回日本化学療法学会西日本支部総会
会長 栁原 克紀
( 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病態解析・診断学分野 (臨床検査医学) )
2020年11月5-7日、福岡市において第68回日本化学療法学会西日本支部総会を開催いたします。福岡での開催は、2012年の第60回(山中昇会長)以来8年ぶりです。歴史ある本学会の会長を拝命いたしまして、重責に身が引き締まる思いです。感染症学会中日本地方会会長藤田直久先生、感染症学会西日本地方会会長渡邊浩先生とともに合同学会の開催準備を鋭意進めております。
化学療法学と深い関わりがある薬剤耐性菌の問題はきわめて深刻です。年間8000人以上が薬剤耐性菌感染症で死亡していると試算されており、耐性菌を増やさない抗菌薬の適正使用が求められています。医師、薬剤師、臨床検査技師ならびに看護師による多職種によるAntimicrobialStewardshipteam(AST)を組織し、「ONETEAM」となって、抗菌薬の適正使用を推進することが期待されています。感染症の検査領域は、遺伝子検査や質量分析といった新規技術の実用化に伴い、大きく進化してきています。DiagnositicStewardshipといった概念が提唱されており、検査結果に基づく抗菌薬選択は大きな役割を果たすでしょう。新規抗菌薬の開発はなかなか進まないのが現状ですが、臨床側のニーズや基礎的な研究成果が結びついて、新たな展開につながることを望んでいます。
本学会はテーマを、「みんなで考える感染症と化学療法」といたしました。医師、薬剤師、臨床検査技師ならびに看護師などの医療職、基礎研究に取り組む先生方、薬剤を開発する製薬企業の方、検査診断薬に関わる診断薬メーカーの方等、多数ご参加いただき、感染症と化学療法をみんなで考えたいと思います。
福岡市は、九州最大の都市であり、活気がある街です。いろいろなエリアからのアクセスも便利です。ぜひ、学会にご参加いただき、学術的な面はもちろん、福岡も楽しんでいただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。