第26回SNNS研究会学術集会

当番世話人 挨拶

第26回SNNS研究会学術集会
当番世話人並川 健二郎

(国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科)

並川 健二郎

この度、2024年10月4日(金)・5日(土)の2日間、東京築地の国立がん研究センターにおきまして、第26回SNNS (Sentinel Node Navigation Surgery) 研究会を開催させて頂きます。このような名誉ある機会を頂きましたことに、名誉代表世話人の愛甲孝先生、代表世話人の竹内裕也先生、ご推薦いただきました世話人の山﨑直也先生をはじめとして、SNNS研究会の皆様に心より御礼申し上げます。

SNNS研究会学術集会は、1999年に第1回が開催されて以来、今年で第26回となります。皮膚科が主催するのは、2011年に第13回の当番世話人を山﨑直也先生が務められてから、13年ぶり2回目です。SNNS研究会は、乳腺外科、頭頚部外科、消化器外科、婦人科、泌尿器科、放射線科、病理診断科、形成外科、基礎研究、皮膚科など、臓器や診療科の枠を超えて、横断的に知識を深められることが大きな特徴です。これまで私自身も、皮膚科領域では気が付かなかった視点や考え方に触れ、その都度感銘を受けてまいりました。皮膚科領域では、メラノーマ(悪性黒色腫)をはじめ、近年では有棘細胞癌や乳房外パジェット病といった非メラノーマ皮膚がんに対しても保険診療の範囲内で広くSNNSが行われています。第26回SNNS研究会では、皮膚科領域からも新知見を発信し、すべての診療科の先生方にとって有意義な2日間となるよう、誠心誠意準備したいと存じます。

さて、第26回SNNS研究会の主題は、『真価を問う』とさせていただきました。SNNSが腫瘍外科領域で広く受け入れられるようになったのは、Donald L. Morton先生がメラノーマを対象にsentinel node conceptを提唱したことが重要な契機となっています。その後、メラノーマを取り巻く環境は大きく変化し、抗PD-1抗体をはじめとした免疫チェックポイント阻害薬やBRAF/MEK阻害薬が周術期治療の一環として取り入れられるようになりました。最近では、これまでリンパ節転移を有する病期IIIに実施されていた術後補助療法がリンパ節転移を有さない病期IIB/IICにも広がったことで、センチネルリンパ節生検によって病期IIと病期IIIを判別する意義が乏しくなり、今後もセンチネルリンパ節生検を継続すべきか、といった新たな議論が始まっています。第26回SNNS研究会では、周術期の薬物療法が発展する中で、臓器横断的な観点からSNNSの意義について再考し知識を深めたいと考えております。

第26回SNNS研究会は、現地開催を予定しています。活気あふれる築地で皆様をお待ちしております。より多くの先生方にお越しいただけるよう、是非若手の先生方にもお声掛け頂き、引き続きSNNS研究会にご支援、ご協力を賜れますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

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