当番世話人挨拶
この度、2022年1月8日(土)に福岡市のホテル日航福岡におきまして第25回日本肝がん分子標的治療研究会を開催させていただきます。開催時の新型コロナウイルス感染拡大の状況にもよりますが、2021年12月現在、現地での「対面形式」による開催予定です。感染防止対策を十分にとった上で開催いたします。参加者のみなさまには、感染対策のためご不便をおかけすることもあるかと思いますが、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。また、現地参加困難な場合は、一部のプログラムに関しては研究会終了後にWeb 配信いたしますので、そちらをご利用下さい。
本研究会は、2009年5月にソラフェニブが肝細胞癌に対する承認されたことを受けて、今後の肝細胞癌に対する分子標的薬治療の進歩を見越して 2010 年から年2 回開催されている先進的な研究会です。肝細胞癌に対する的確な分子標的薬治療を行うために、全国より肝癌診療の専門家が集結し、基礎的、臨床的な観点から最新の知識、有害事象対策などについて見識を深めることを目的としています。
本研究会も今回で25回を迎えました。2009 年以降8 年間、使用可能な分子標的薬はソラフェニブのみでしたが、2017年6月にレゴラフェニブ、2018年3月にレンバチニブ、2019年6月にはラムシルマブが承認され血管新生阻害を中心とした治療薬の選択肢が拡がりました。2020年9月には待望の免疫チェックポイント阻害剤の併用療法アテゾリズマブ/ベバシズマブが承認され、直近では2020年11月にカボザンチニブも承認されています。このように、近年、薬物治療の選択肢が増加したことにより、患者や腫瘍の状況に応じた最適な治療薬の選択が可能となり、肝がんシーケンシャル治療法も日々進化しています。
今回の第25 回の研究会では、比較的新しい分子標的薬の治療効果の新知見、各種分子標的治療薬によるシーケンシャル治療の経験、有害事象を含めた治療における問題点、今後の治療法のあり方などについて議論を深めたいと考えています。ポスター発表は感染防止を考慮して、6つのブースに分かれe-Poster形式で実施いたします。ポスター発表以外のプログラムは、ひとつの会場で実施いたしますので8時15分から18時30分までの長丁場となりますが、多くのみなさまにご参加いただき、活発な討論が行われることを期待しております。
本研究会の福岡市での開催は初めてですので、来年年明けの新型コロナウイルスの感染拡大状況によりますが、是非とも現地にご参集いただき研究会と伴に福岡の美味しい食事もお楽しみいただければ幸甚に存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
第25回日本肝がん分子標的治療研究会
当番世話人 矢野博久
(久留米大学医学部病理学講座 教授)