会長挨拶
第63回日本甲状腺学会学術集会のご挨拶
会長 田上 哲也
(国立病院機構京都医療センター 内分泌・代謝内科)
はじめに、全国各地でCOVID-19に対する診療に携われている医療関係者の皆様におかれましては、心から敬意を表するとともに、深く感謝を申し上げます。
さて、第63回日本甲状腺学会学術集会:テーマ「甲状腺学の伝承と発展」は、奈良で開催予定でしたが、世界的なCOVID-19蔓延に対する会員の皆様のご健康とご心配に配慮し、WEB 開催といたしました。会期は、2020(令和2)年11月19日(木)から12月15日(火)です。翌日からITC2020が始まることになります。
甲状腺は1656年に「thyroid gland」と命名されて以来、ヨウ素1812年、バセドウ病1835年、橋本病1912年、サイロキシン1914年の発見とともに甲状腺学は進歩してきました。近年では、甲状腺ホルモン受容体(TR)が1986年に、TSH受容体(TSHR)は1989年にクローニングされました。私が基礎研究を始めたのがちょうどこの頃になります。したがいまして、招待講演の演者は、甲状腺ホルモンとその受容体の分野からDr. Paul Yenならびに矢尾板芳郎博士、TSHとその受容体の分野からDr. Paul Sanders (Dr. BR Smithのラボより)、ならびに吉村 崇博士(共催セミナー)です。また、特別シンポジウムとして AI in Thyroid を、さらに外科系、基礎系、小児科系、メディカルスタッフ(公募)、ザ・レジェンドなどの企画もご用意いたしました。続々と作成・更新されております種々の甲状腺疾患の診療ガイドラインや臨床重要課題については内分泌学会指定講演(3コースのうち1コース視聴で1単位)とさせていただきました。甲状腺学会専門医セミナーは例年通り2コース(各コース3演題)あります(どちらかのコースを視聴することで、セミナー1 回分を受講したとみなされます)。
WEB 開催の概要
- 特別講演、シンポジウム、専門医セミナー、内分泌学会指定講演、高得点演題は音声付のオンデマンド配信。
- 各種賞の選定講演は、音声入力済みのファイルを事前提出の上、ライブ(リモート参加)で講演を配信し、審査員と質疑応答。
- 一般演題はプレゼンテーションソフトによる発表(質問はサイト内で受け付け、後日発表者より回答)。
- 共催セミナーはライブ配信またはオンデマンド配信。
- 本年の専門医試験は開催されません。(該当者には別途案内)
- 理事会、評議員会、総会についてもWeb で開催。
では、さらなる発展を遂げる甲状腺学の将来展望について、WEB上ではありますが、みなさまと共有したいと思います。多くの方々のご参加を心からお待ちしております。