会長挨拶
第69回日本ウイルス学会学術集会を2022年11月13日(日)~15日(火)の3日間、長崎市の出島メッセ長崎にて開催いたします。COVID-19の流行はまだ先が見えない状況ではありますが、感染対策を施し対面での開催を準備しております。
この3年にわたるパンデミックは我々の社会のあり方、科学の意味、科学と政治の関係性など多くの命題を科学者に投げかけてきたと思います。言うまでもなく、ウイルス研究者はもっとも近い当事者として研究成果による貢献はもとより、社会発信や政策提言まで幅広い領域での役割を再認識されていることでしょう。
今回の学術集会のテーマを「ポストコロナ時代のウイルス学研究(Virology in Post COVID-19 Era)」としました。やがて世界は新型コロナウイルスと共生し、何事もなかったかのような日常に戻るのかもしれません、しかしおそらくは以前の生活に戻るのではなく、パンデミックの影響を様々な形で取り込みながら世界も、そして科学研究の有様も変化して行くのではないでしょうか。
長崎大学では2021年7月に念願のBSL-4研究施設が竣工しました。これにより、我国のウイルス学研究者があらゆるウイルスについて研究をする基盤の重要な1ピースが埋まりました。お時間のある方は建物内部には入れませんが、坂本キャンパス(医学部)にお越しいただきぜひご覧ください。本研究集会の基調講演は長くエボラウイルス等の研究で世界的な発見をされ、新型コロナウイルス研究でも世界のトップを行く、米国国立アレルギー・感染症研究所のHeinz Feldmann博士にお願いしました。その他、BSL-4病原体に関するシンポジウム、日米医学協力プログラムと共催での節足動物媒介ウイルスに関するシンポジウム、教育講演等も開催予定です。是非、各セッションでの研究討論はもとよりプログラムの枠を超えて、老いも若きも、将来のウイルス学研究を対面で熱く議論する集会に出来ればと思います。
皆様と長崎の地でお会いできることを楽しみにしております。
第69回日本ウイルス学会学術集会
会長 森田公一
長崎大学感染症研究出島特区
熱帯医学研究所