ご挨拶
JSSR45
日本睡眠学会第45回定期学術集会
柳沢 正史
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 WPI-IIIS
このたび、第45回日本睡眠学会定期学術集会を2023年9月15日(金)~9月17日(日)の3日間、パシフィコ横浜(横浜市)にて開催する運びとなりました。本来であれば、第45回は2020年9月に予定しておりましたが、突如として猛威を振るった新型コロナウィルスの感染拡大を受け、苦渋の決断ながら延期せざるを得ませんでした。しかしながら、2023年に第45回は復活いたします。直接交流に飢えた学会員の皆様を全国各地からお迎えするため、アクセスも良く広々としたパシフィコ横浜ノースを選定しました。久しぶりの関東での開催でもございますので、多くの方のご参集をお待ちしております。
また2023年の大会でも、2007年と2009年の過去2回以来、日本時間生物学会との合同開催が叶いました。時間生物学会の名古屋市立大学・粂和彦第30回大会長と再び一緒に学会を企画できることを大変嬉しく思います。相互の研究者や臨床家・技術スタッフにとって、合同学会がさらなる刺激を得る機会となることを願います。そして、withコロナの環境下で見事開催に漕ぎつけた2021年の博多ならびに2022年の京都での大成功を継承できるよう、順天堂大学・川名ふさ江副会長、筑波大学・木村昌由美副会長ならびに神林崇副会長ともども万端な準備を整えて参ります。
日本睡眠学会はその黎明期から、基礎睡眠科学、臨床睡眠学、睡眠社会学などの睡眠に関連した多彩な分野の人が集まり、睡眠について多元的に考える学際的伝統を持って発展してきました。定期学術集会では、時間生物学会の会員と共に、広い領域の会員が所属分野を超えてディスカッションし、新たな領域を開いて行ければと考えています。
今回も、こうした学際的な伝統を発展させようと、某ヒット映画へのオマージュを込めて「Sleepless in Somnology and Chronobiology 〜睡眠と生物時計が面白くて眠れない〜」をテーマといたしました。時間生物学会と合同開催でもありますので、基礎睡眠科学のセッションを充実させるのはもちろんのこと、臨床睡眠学、睡眠社会学までを広くカバーする企画を考えたいと思っています。
また前2大会に引き続き、本大会もハイブリッド・オンデマンド方式の運営を行ないますが、会場での感染予防対策も細心の注意を払い実施して参りますので、是非、港町ヨコハマもお楽しみいただけたらと思います。皆様の多数のご参加を心よりお待ち申し上げております。
30JSC
第30回 日本時間生物学会学術大会
粂 和彦
名古屋市立大学大学院薬学研究科
第30回日本時間生物学会学術大会を第45回日本睡眠学会定期学術集会と合同で、2023年9月15日(金)~9月17日(日)の3日間、パシフィコ横浜(横浜市)にて開催させて頂きます。3年前の2020年に開催予定でしたが、コロナ禍で睡眠学会は中止に、時間生物学会はオンライン開催となり、合同大会としては3年延期される形で、実現できることになりました。
日本時間生物学会は、1994年に基礎生物学系の生物リズム研究会と臨床医学系の臨床時間生物学研究会が合流して始まり、今回が30回目の大会です。前身から考えると40年の歴史があり、細菌・植物からヒトにいたる生物種、秒・分から年を超える単位までの周期、分子のリン酸化から幼稚園児の午睡までの幅広い現象を対象とする多様性に富む学会です。国内外より高く評価され、欧米の時間生物学会とも連携しています。
今年度の大会は、2007年と2009年の2回以後、久しぶりに日本睡眠学会と合同で開催いたします。睡眠学会大会長の柳沢先生はオレキシンの発見以来、世界の睡眠研究を牽引してこられました。私自身も、20年以上前に柳沢先生に刺激されて睡眠の研究を始めたので、一緒に学会を企画できることを大変嬉しく思います。時間生物学会は睡眠学会とは、会員数や予算面では大きな差がありますが、分野の幅広さや基礎科学研究レベルでは、決して引けをとらず、合同開催でも飲み込まれることはありません。睡眠を制御する概日周期生物時計は時間生物学会の中心テーマの一つですし、時間生物学会には、睡眠学会にはない珍しい生物の研究や不思議なリズムの研究も多数あります。一方、睡眠学会には、時間生物学会では数が少ない臨床研究が多数発表されます。相互の研究者にとって、合同学会が良い刺激を得る機会となることを願います。
私は学生に対して、研究は楽しいから続けられるものだと常に話しております。本大会のテーマ、「睡眠と生物時計が面白くて眠れない」に込めたように、本大会を知的刺激にあふれる楽しいものにしたいと思います。多くの皆様に面白い研究発表をして頂けることを願います。横浜でお会いしましょう。