第22回日本うつ病学会総会

ご挨拶

加藤 忠史
第22回日本うつ病学会総会
会長 加藤 忠史
順天堂大学医学部精神医学講座

2025年7月11日(金)、12日(土)に浜松町コンベンションホールで第22回日本うつ病学会総会を開催させていただくにあたり、一言ご挨拶申し上げます。

今回のテーマは「うつ病・双極症の克服のために」といたしました。本学会は、日本語名は「日本うつ病学会」ですが、英語名はJapanese Society of Mood Disordersであり、うつ病と双極症を対象とした学会です。双極症はうつ状態から発症することが多く、うつ病の中には潜在的な双極症の方も多く含まれていることから、うつ病の診療・教育・研究・啓発においては、双極症との関連への視点は必須です。2025年9月16日(火)~19日(金)に、国際双極症学会(International Society for Bipolar Disorders)が行われますので、同学会ともさまざまな形で連携をしていきたいと思います。

ポスターには、本学会としては珍しく、脳がフィーチャーされています。脳は、物質社会にある身体と、人の心が作り出す情報社会のインターフェースであり、社会生活における問題や身体の不調などから生じるきしみによって、脳=心に起きるのがうつ病であることを表現しています。

克服、という言葉はおおげさに思えるかも知れませんが、2019年に登場した新型コロナウイルスにより2020年よりパンデミックとなりましたが、原因ウイルスの解明、ワクチンの開発、診断法開発、治療薬開発が驚くべきスピードで進み、5年足らずの間にほぼ克服に近づきました。

紀元前からあるうつ病は、ずっと付き合っていかなければならない相手かも知れませんが、少なくともその一部は、「克服」できるものと信じて、このようなタイトルをつけさせていただきました。

うつ病・双極症の方々をサポートするためには、生物・心理・社会の多様な観点から、多職種が連携して取り組まなければなりません。日本うつ病学会は、こうした幅広い専門職と当事者が集まって、うつ病・双極症に取り組む貴重な機会です。

新型コロナパンデミックは、オンラインでできることを増やしてくれると同時に、実際に集まることで得られることは何かも教えてくれました。

本大会で、さまざまな人と出会い、多くの知見に触れていただければと思います。

多くの方のご参加をお待ちしております。

座長・演者 諾否登録