会長挨拶
- 第34 回日本小児救急医学会学術集会
会長 米倉 竹夫
近畿大学奈良病院小児外科 教授
第34回日本小児救急医学会学術集会の開催に際しご挨拶申し上げます。この度、歴史と伝統のある本学術集会を2021年(令和3年)6月18日(金)~20日(日)に、新しくオープンする奈良県コンベンションセンターにて開催させていただくことになり誠に光栄に存じます。
少子化が進行する中、小児医療の重要性は益々増してきています。小児では内科疾患も外科疾患もその多くは救急疾患として発生します。この中で小児救急は、病院前診療、1次・2次救急診療、1分1秒を争う緊急疾患や命に直結するような重篤疾患に対する集中治療や外科治療を含む3次救急診療だけでなく、虐待や事故などの社会的因子への対応とその予防や家族支援、そして災害医療まで幅広い領域をカバーする必要があります。そのためには小児科・小児外科科・麻酔科・救命救急科・集中治療科の医師や、看護師・救命救急士を含む多職種・多領域の連携が必要になります。
そこで今回の学術集会の主題は、『Collaboration-英知を集めて』といたしました。全国の学会員が共同(collaboration)し、その英知を結集し(gather the wisdom)、小児の救急医療にかかわる諸問題の解決策を見出していきたいと考えています。また国内だけでなく海外からも招待演者をお招きして、教育講演、シンポジウム、パネルディスカッション、セミナーなどを多数企画しております。また一般口演セッションのほか、十分な討論ができるようなポスターセッションを設ける予定です。
奈良は「まほろば」の地と呼ばれています。「まほろば」はヤマトタケルノミコト(日本 武尊/倭 建命)が奈良(大和/倭)を「うるはし(麗し)」の地として、望郷の和歌の中で詠んでいます。奈良県コンベンションセンターはその奈良市内の名所旧跡の中央に位置しています。車で5分走ると、西には唐招提寺・薬師寺・平城宮跡が、東には東大寺・興福寺・春日大社あります。また奈良公園では草木の緑に癒されることも、鹿と戯れることも、多数転がっている鹿の糞も一杯踏むこともできます。多くの方々にご参集いただき、実り多い学術集会となれば幸いです。また「うるわしの地」奈良で会員が出会い、交流し、情報の交換が図れるような懇親の場を企画しております。本学術集会が、子どもたちによりよい小児救急医療を提供し子どもたちの幸せにつながるよう、関係者一同、鋭意準備いたしております。多数の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。