会長挨拶
会長 波多野 悦朗
京都大学 肝胆膵・移植外科 教授
このたび、第13回日本神経内分泌腫瘍研究会学術集会を京都にて開催させていただくこととなりました。このような機会を与えてくださいました、会員の皆様、役員の先生方に厚く御礼申し上げます。当教室はJNETS現理事長である上本伸二先生を会長として第1回学術集会を開催しており、12年の時を経て再び京都に皆様をお招きできることを大変光栄に思います。
今回の学術集会は、テーマを「NEN診療新時代の道標」としました。2019年に膵・消化管NEN診療ガイドライン第2版が発刊されて以降、NEN診療を取り巻く環境は大きく変化してきております。中でも177Lu-DOTATATEを用いたペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)は2021年に我が国でも保険適応となり、まさにNEN診療におけるブレイクスルーとなりました。2024年にはNETTER-2試験において一次治療としてのPRRTの有効性が証明されるなど、NENに対する集学的治療は新時代を迎えています。一方、病態に応じたPRRT・薬物治療・外科的治療を含めた治療戦略の最適解は定まっておらず、エビデンスの確立が待たれるところです。このような環境の中、2025年には膵・消化管NEN診療ガイドライン第3版の発刊を予定しており、現在鋭意改訂作業を進めています。本学術集会を、より複雑化していくNEN診療の道標(みちしるべ)となるガイドラインをお披露目し、さらにエキスパートの先生方、会員の先生方のご講演・ご発表と活発な議論を通してその先のエビデンスを創出・発信する場としてまいる所存です。
ポスターの背景は比叡山麓なる瑠璃光院の「逆さ紅葉」です。NEN診療は多種多様な診療科・医療スタッフによるチーム医療。色とりどりの紅葉が溶け合って一枚の鮮やかな絵画を描き出すように、チームの叡智を集結させて患者さんにベストな医療を提供していきたいという思いを込めてこのデザインにしました。
会場は京都産業会館ホールです。京都駅から地下鉄烏丸線2駅3分の四条駅に直結しており、アクセスは抜群に良好です。京都の台所錦市場は徒歩圏内で、繁華街の四条河原町や、鴨川を渡れば祇園もすぐ近くです。是非秋の京都の風情と味覚を堪能しながら交流を深めて頂けましたら幸いです。
京都らしいおもてなしの心で皆様をお迎えしたいと思います。