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第38回日本冠疾患学会学術集会

会長挨拶

内科系会長挨拶

大倉 宏之
岐阜大学大学院医学系研究科 循環器内科学 教授

 このたび第38回冠疾患学会の内科系会長を拝命いたしました、岐阜大学循環器内科の大倉宏之です。本学会は2025年11月28日、29日に名古屋にて現地開催いたします。

 今回の学会のテーマは「人・技術・社会が創る新たな冠疾患治療」といたしました。冠疾患治療を取りまく環境は急速に変化しています。近年、慢性冠症候群に対する冠血行再建の意義が問われるようになりました。また、急性冠症候群においても高齢者に対する侵襲的治療の有用性に疑問を呈する報告もでてきました。その一方で、冠動脈疾患による慢性心不全に対する薬物治療や、合併する二次性僧帽弁逆流に対する薬物治療、カテーテル治療は大きく進歩しています。また、循環器診療における「ハートチーム」の重要性がさらに増しています。今では循環器内科医と心臓外科医だけではなく、多職種が連携し、それぞれの専門性を活かして患者の病態や背景に適切に介入することが、診療の鍵となっています。加えて、患者を中心とした「シェアード・デシジョン・メイキング(共同意思決定)」の重要性も広く認識されつつあります。本学会では、内科、外科それぞれの技術の進歩だけでなく、人と人とのコミュニケーションや社会背景も考慮しながら、冠疾患治療の「今」を皆さまとともに考えていきたいと思います。

 多くの皆さまからの演題応募をお待ちしております。そして、本学術集会が活発な議論とネットワーキングの場となれば幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

外科系会長挨拶

土井 潔
岐阜大学大学院医学系研究科 心臓血管外科学 教授

 第38回冠疾患学会の外科系会長を務める岐阜大学心臓血管外科の土井潔です。

 今回の学会のテーマは「人・技術・社会が創る新たな冠疾患治療」としました。

 冠疾患学会は内科医と外科医が合同で行うユニークな学会です。また医師だけでなく看護師や技師なども参加する貴重な機会となっています。多職種によるハートチームは学会のキーワードの一つでもあることからテーマに「人」を加えました。

 また冠疾患治療に用いられるデバイスや薬物に関しては次々と新しいものが登場してきています。しかしそれらに関する安全性や治療効果の検証を行い、エビデンスを積み重ねることが大切です。そこで冠疾患治療においては特に重要と考えられる「技術」をテーマに加えました。

 さらに医療費の高額化や医療安全への関心の高まりなど医療を取り巻く社会状況は目まぐるしく変化をしています。学会は閉鎖空間であってはならず、常に社会の中での立ち位置を意識すべきという観点からテーマに「社会」を加えました。

 今回の学会に参加する皆様が活発な議論を交わす中で、冠疾患治療の新しい未来を見出すことができればと期待しています。

 なお今回の学会の期間中は、たまたま岐阜市内にある主だった会場が全て改修工事を行うため、岐阜大学の主催であるにも関わらず名古屋駅近くにある名古屋コンベンションホールで開催することに決定しました。学会終了後にお時間がありましたら、是非とも岐阜城や飛騨高山に足を延ばしてみてください。

 では皆様とお会いできることを楽しみにしております。