会長挨拶
第45回日本臨床栄養学会総会
第45回日本臨床栄養学会総会会長
西口修平
加納総合病院 名誉院長
大阪公立大学 特任教授
この度、第21回大連合大会を大阪母子医療センターの西本 裕紀子先生(第44回日本臨床栄養協会総会会長)とともに、2023年11月11日(土)・12日(日)の両日に、大阪国際交流センターで現地開催させていただきます。COVID19への配慮は、今後の感染状況を見て決める予定です。今回、メインテーマを「エビデンスに基づく臨床栄養学の創造」といたしました。臨床栄養学は、小児から高齢者に至るまで、すべての疾患の予防や治療において根幹となる領域でありながら、医療従事者の関心は必ずしも高くないのが実情です。一方、薬物療法などに比べればエビデンスの構築は難しいのですが、長年の経験則に加えて、多くの科学的検証に基づくエビデンスも集積されつつあります。本学会では、臨床栄養学のそれぞれの分野において、最新の知見をオーバービューした上で、未解決の課題を明確にし、エキスパートが集い衆知を集めて解決する場を設けたいと思います。さらに、その成果を社会に向け発信したいと考え、市民公開講座も併せて行います。
プログラム委員の先生方から多くのご意見が寄せられたお蔭で、素晴らしい企画が目白押しとなりました。特色としては、まずは両学会長の専門である、小児期と老年期の栄養療法に少しフォーカスを当てたことです。次に、臨床栄養の現場では医師、管理栄養士のみならず多くの医療職が関与し、緊密な連携を図ることが重要です。本学会では、同一のテーマにそれぞれの立場から忌憚なく意見を述べ合う場として、日本臨床栄養学会と日本臨床栄養協会の合同企画を7セッション設けています。
ご存知のように大阪は「食い倒れの町」です。食にこだわり、そこに幸せを感じるのが浪速流です。また、栄養学とは最後は人の幸せに繋がる学問であるとの思いを込めて、「”食”を制するは喜びに通ず」とサブタイトルを付け加えました。大阪は“おもろい街”です。食べる所だけでなく、多くの歴史的遺産やUSJや海遊館を始めとする観光スポットに恵まれています。是非、多くの先生方に大阪にお越しいただき、活発な学術集会にしていただくとともに、学会終了後には浪波の伝統にも触れ、大いに楽しんでいただきたいと思います。
第44回日本臨床栄養協会総会
第44回日本臨床栄養協会総会会長
西本裕紀子
大阪府立病院機構
大阪母子医療センター栄養管理室 室長
第44回日本臨床栄養協会総会は、第45回日本臨床栄養学会総会(会長:西口修平先生)と合同の第21回大連合大会として2023年11月11日(土)~12日(日)の2日間、大阪国際交流センターで開催させていただくことになりました。この度、当日本臨床栄養協会総会会長を拝命し、加納病院名誉院長・大阪公立大学特任教授 西口修平先生と共にお世話させていただけることは、誠に光栄に存じますとともに、その重責に身の引き締まる思いでございます。
本大会のメインテーマは、「エビデンスに基づく臨床栄養学の創造~“食”を制するは喜びに通ず~」と致しました。
科学技術が日進月歩する中、臨床栄養においても日々多くのエビデンスが集積され、それをもとに、さらに新しい臨床栄養学が築かれつつあります。一方で、“食”は幸せの根源です。胎児期に母体の“望ましい食”による栄養で育まれ、小児期から“適切な食”を身につけてそれを好きになることは、疾病を予防し食を楽しむ“喜び”を得ることにつながります。青年期、壮年期、高齢期、疾病を患ったり、摂食嚥下に困難があったり、終末期にあっても、個々に応じた適切な“食“は、病態を改善するだけでなく、食べる人と支える人の心を癒し、喜びをもたらします。小児から高齢者まですべてのジェネレーションにわたり、新しいエビデンスの実践を、“喜び”につなげたいという思いをこのテーマに込めました。
すでに、西口修平先生の日本臨床栄養学会チームと日本臨床栄養協会の近畿地方会チームで協議を重ね、胎児・小児から高齢者まで全てのジェネレーションにおける栄養の問題や、QOLに関わる臨床の食の問題、各疾患の基礎的研究から先端情報など、多くを学び、議論できるプログラムを作成中です。
実りある学術集会となりますようプログラム委員一同、鋭意努めておりますので、臨床栄養に関わるたくさんの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。