司 会 | : | 安部 達也 | (医療法人健康会 くにもと病院 肛門外科) |
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岡﨑 啓介 | (岡崎外科消化器肛門クリニック) |
全周性痔核には肛門管内外痔核が環状にあるもの、主痔核や副痔核が隙間なくあるもの、直腸粘膜脱が主体のもの、器質化した外痔核や肛門ポリープが併存するもの、全周性の嵌頓痔核など、様々な病態がある。全周性内外痔核にLEを行う場合は、取り過ぎると術後狭窄の恐れがあり、取り残すと術後疼痛や浮腫が起こりやすい。そのため適切な切除計画を設定し、肛門上皮の切除を最小限に抑えながら痔核やその他の病的組織を切除・郭清する技術が求められる。一方でACL、PPH、THD、分離結紮、MuRAL、ALTA併用療法など、LEだけに頼らない様々な術式が考案されている。何れにせよ患者満足度を高めるには、後遺症を残さずに、綺麗で柔らかい肛門に修復することが重要である。このセッションでは、各施設で行われている術式の工夫や手技のコツ、二期的手術の適応、麻酔法や術後管理の工夫など、全周性内外痔核に関する様々な試みやその成果、問題点などについて論じていただきたい。