ワークショップ1-3「マルチオプション時代のIBD診療における内科・外科連携」

司 会 中村 志郎 (大阪医科薬科大学 第2内科)
板橋 道朗 (東京女子医科大学 炎症性腸疾患外科)

IBDの内科治療は急速な進歩を遂げ、作用機序が異なる生物学的製剤や低分子化合物が多数登場している。その結果、近年では手術率の低下などIBD患者の長期予後改善も報告されてきている。しかし、一方では、内科治療が多数選択できることで、UCでは重症例や難治例における手術のタイミング、長期経過に伴う炎症性発癌と高齢患者の増加などが問題となってきている。CDでも生物学的製剤の登場で介入後の手術率は低下を認めるも、再手術率は未だ十分に低減されていない。より精度の高いTreat to Targetの実践に向けた吻合法や術後の病変評価方法、それらに基づく術後内科治療の最適化が求められる。また、狭窄や内瘻、複雑痔瘻の取り扱いや癌のサーベイランスなどについても内科外科間の緊密な協力が必要である。IBD患者のさらなる長期予後とQOL改善の達成には、より良い内科外科連携が必須であり、その改善を目指した熱盛な討議となるよう多数の演題登録を期待しています。