ワークショップ1-2「肛門管癌の治療」

司 会 長谷川 傑 (福岡大学医学部 消化器外科)
佐伯 泰愼 (大腸肛門病センター高野病院 消化器外科)

肛門管は恥骨直腸筋付着部上縁から肛門縁までの管状部で、肛門管上皮は直腸粘膜腺上皮・移行帯上皮・扁平上皮があり、さらに歯状線部では肛門腺が開口しており様々な組織の癌(直腸型腺癌・肛門腺由来癌(痔瘻癌を含む)・扁平上皮癌等)が発生する。大腸癌取扱い規約では直腸型腺癌は管内型、肛門腺ないしその導管から発生する癌は管外型に分類され、管内型は大腸癌取扱い規約のTNM分類を使用するが、管外型と扁平上皮癌はUICCのTNM肛門管および肛門周囲皮膚分類を用いるとされている。また腺癌と扁平上皮癌では治療方針も異なる。大腸癌研究会全国登録データでは結腸・直腸・肛門管の中で最も予後不良とされているが、肛門管癌は症例も非常に少なく、肛門管癌全体を把握しているとは言い難い。本ワークショップでは、肛門管癌(管内型、管外型、扁平上皮癌)の各施設の治療方針と治療成績を提示して頂き、治療成績向上のための方向性を探りたい。