パネルディスカッション2-7「大腸がん検診における大腸内視鏡の意義」

司 会 野﨑 良一 (のざき消化器IBDクリニック)
大宮 直木 (藤田医科大学医学部 先端光学診療学講座)

2022年のがん統計予測によれば大腸がんは罹患数で第1位、死亡数で肺がんに次いで第2位であるが、大腸がん一次検診受診率は50%に満たず、便潜血陽性者の精検受診率も70%前後である。精検未受診の理由として腸管洗浄剤の服用が大変、検査が痛くて辛い、恥ずかしい、自覚症状がない、時間がない、痔による出血との回答が多い。便潜血検査や大腸内視鏡を実施することで大腸がんの罹患数や死亡数を減少させることが証明されているが、これら大腸内視鏡の障壁を克服するには前処置、鎮静・鎮痛、内視鏡のデバイスや挿入法のさらなる工夫が必要である。腺腫発見率や中間期癌(内視鏡後発見癌)などの精度管理も重要である。また、大腸内視鏡を補完する大腸CTや大腸カプセル内視鏡などの導入も検討される。
本セッションでは大腸がん検診における大腸内視鏡をはじめとする大腸検査の最新の知見をご発表頂き、今後の展望について討論したい。