パネルディスカッション1-4「大腸肛門疾患における心療内科の役割」

司 会 小林 伸行 (大腸肛門病センター高野病院 心療内科)
安野 広三 (九州大学病院 心療内科/集学的痛みセンター)

大腸肛門領域には多くの機能性疾患があります。機能性疾患は心理的因子が関与することがあり、心療内科医が貢献できる疾患でもあります。その代表は過敏性腸症候群であり臨床研究も進み、脳腸相関のメカニズムが詳しく解明されつつあります。心理的にも認知行動療法など新しい治療法も工夫されています。一方、機能性肛門痛も慢性疼痛の1つととらえ心療内科的な治療が期待されますが、残念ながら本邦においてはわずかな検討があるにすぎません。機能性便排出障害、便失禁、自己臭など心療内科医が関与することが有益である可能性があります。研究が進まない背景としては大腸肛門科医と心療内科医の交流が少ないことも挙げられます。本学会で心療内科の関わりを議論するのは意義深いことと考えて企画いたしました。下部消化管における心療内科的関与の現状を知るべく幅広く話題を提供していただきたいと思います。多くの方のご参加をお願いいたします。