パネルディスカッション1-1「IBD関連大腸腫瘍の診断と治療戦略」

司 会 池内 浩基 (兵庫医科大学 炎症性腸疾患外科)
田中 正文 (大腸肛門病センター高野病院 消化器外科)

潰瘍性大腸炎(UC)領域では、サーベイランス内視鏡検査の有用性は明らかで、HGDや早期癌で手術となる症例が増加し、予後は改善している。また、sporadic cancerと colitic cancerでは基本的に外科治療の術式は異なるが、その鑑別診断は容易ではない。最近HGDや早期癌に対する内視鏡的粘膜下層切除(ESD)も積極的に行われているが、その位置づけは検査目的とするのか、治療目的とするのかは、内科医と外科医の間で議論のあるところである。
クローン病(CD)領域では、欧米人と東洋人では肛門病変の活動性に大きな違いがあり、好発部位も異なる。日本人の好発部位である直腸病変に対しては、10年以上病変を合併する症例では麻酔下の生検が推奨され、診断可能な症例は増加している。だだ、早期癌の段階で診断できる症例はわずかであり、その予後はUCに合併する大腸癌に比べ極めて不良である。
内科医と外科医が本音で議論ができるパネルディスカッションになればと思っています。