司 会 | : | 橋口 陽二郎 | (大森赤十字病院) |
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上原 圭 | (日本医科大学付属病院 消化器外科) |
近年、局所進行直腸癌に対する治療戦略は変革している。手術治療では内視鏡外科手術の進歩に伴い、骨盤内解剖がより明らかとなり、技術的難易度が高いとされてきた多臓器合併切除に対しても内視鏡外科手術が適応拡大されつつある。一方、周術期の薬物・放射線治療の発達も目覚ましく、欧米で一般的な術前放射線化学療法のみならず、薬物療法も加えたtotal neoadjuvant treatment(TNT)も加わり、更には高いclinical complete response率を背景としたnon-operable managementの概念も台道し、局所進行直腸癌に対する治療は多様化の一途を辿っている。このシンポジウムでは、こうした新しい治療を含め、その目的、方法を明確とした上で治療成績に基づいたメリットのみならずデメリットを明らかとし、推奨される治療対象を示していただきたい。