司 会 | : | 江﨑 幹宏 | (佐賀大学医学部 消化器内科) |
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山本 章二朗 | (宮崎大学医学部附属病院 消化器内科) |
潰瘍性大腸炎と Crohn 病といった炎症性腸疾患(IBD)では、新規治療が次々と登場し、難治例や手術移行例も明らかに減っているが、中には治療に難渋する症例も存在する。最近では便中カルプロテクチン、血清LRGなどが利用可能となったが、臨床症状や既知の炎症マーカーと乖離する症例も存在し、最適な使用法はまだ不明瞭である。またIBDや家族性地中海熱などのIBD類縁疾患にも合致しない非典型的な腸管病変を呈する症例も存在し、診断に苦慮することも稀ではない。最近ではCOVID-19の感染により、一筋縄でいかないIBD症例もまま見られる。非常に進歩したIBD診療においてもまだまだ問題点は多い。そこで本症例検討では、診断や治療に難渋した症例をご提示頂き、どのように診療に当たっているかについて深く掘り下げて討論を行いたい。明日からの診療における手助けとなるような症例検討になれば幸いである。