「温故知新・その先の、道へ。北海道から新風を」第66回全日本病院学会in北海道

学会長挨拶

公益社団法人 全日本病院協会 会長 猪口 雄二

第66回全日本病院学会in北海道
学会長 齊藤  晋

公益社団法人全日本病院協会
北海道支部 支部長
社会医療法人アルデバラン
手稲いなづみ病院 理事長

 このたび、2025年10月11日(土)、12日(日)に、札幌コンベンションセンター、札幌市産業振興センターにおきまして「第66回全日本病院学会 in 北海道」を開催する運びとなりました。

 本学会の北海道札幌市での開催は2015年以来となります。今回また、この歴史ある学会を主宰させていただくこととなり、身の引き締まる思いで鋭意準備を進めているところでございます。

 本学会のテーマは、「温故知新 ~その先の、道へ。北海道から新風を~」といたしました。

 過去の知識や経験を振り返り、それを基にして新しい知識や見解を得るという機会にしたいと考えました。先人たちの知恵や経験を学び、それを現代に適応させることで、新たな価値を創造しようと考えます。

 医療の歴史には、数々の進歩と技術革新がありました。これらの成功は多くの尊い命を救い、私たちの生活の質を向上させてきましたが、一方で失敗やそれに伴う課題も多く存在してきたことも事実です。これらの教訓が、現代において非常に貴重なものとなっており、未来の医療を築くための礎となっていくことは間違いありません。

 また、医療が急速に進化している現代においても、超高齢化社会に伴う医療費の増大、生活習慣病の増加、新興感染症の出現、医療技術の進歩による倫理的課題など、次々に発生する多くの複雑な問題に、私たちは常に直面しています。これらの課題に適切に対処するためには、過去の教訓を活かしつつ、創造的で革新的なアプローチを行うことが求められます。

 こうした中、私たちが、予防医療の推進、デジタルヘルスの導入、患者中心のケアの実現など、持続可能な解決策を探求し、新しい技術やアイデアを積極的に取り入れながら、より良い医療サービスを提供することを目指していくためには、医療従事者、患者、そしてコミュニティ全体の協力が不可欠です。

 例年、本学会には日本全国から約3,000名以上の医療関係者が参加し、2日間にわたり、特別講演、シンポジウム、ワークショップ、委員会企画などで活発なディスカッションが行われます。

 今学会が、先人の知恵を大切にしながら、未来の医療を見据えた挑戦に取り組むべき姿について、これまで以上に多くの参加者の方々と白熱した議論がなされる場となることを目指しております。