熊本県知事挨拶
熊本県知事 蒲島 郁夫
第33回日本エイズ学会学術集会・総会が、熊本で盛大に開催されますことを、心からお祝い申し上げます。
日本エイズ学会におかれましては、松下修三理事長をはじめとする会員の皆様が、学術研究や普及啓発活動に熱心に取り組まれ、HIV/エイズの予防や、治療とケアの充実に多大な御貢献をいただいておりますことに深く敬意を表します。
国内のHIV感染者及びエイズ患者の新規報告数は、関係者の皆様の御尽力により、平成30年においては約1,300件となっており2年連続で減少しています。
熊本県における報告数は、年間10件前後で推移しておりますが、エイズ発症後に報告される方の割合が全国平均より高い状態が続いており、HIV感染者の早期発見が課題となっております。
このため、本県では、保健所でのHIV検査数の増加を目指し、世界エイズデー等にあわせた夜間検査の実施や各種PRに取り組んでいるほか、HIV/エイズの診療を専門としない医療機関に対して、HIVスクリーニング検査を積極的に実施し、HIV感染者の早期発見につなげていただくよう御協力をお願いしております。
今後もHIV/エイズに関する正しい知識の普及啓発に努めるとともに、エイズ治療中核拠点病院等と連携した医療提供体制の強化、保健所における検査・相談体制の整備等に取り組んでまいりますので、皆様の御支援と御協力をお願いいたします。
さて、近年においてはHIV/エイズの治療法が大きく進歩したことにより、感染の早期発見と適切な治療を行うことでHIV陽性者の予後は大きく改善され、HIV非感染者と同等の生活を送ることも可能となっております。
そのような中、第33回日本エイズ学会学術集会・総会が「HIVサイエンス新時代 HIV Science New Age」をテーマに開催されますことは、誠に意義深く、その成果に大きな期待を寄せております。
会員の皆様、参加される当事者・関係団体の皆様には、本会を契機にさらに研究、交流を深め、HIV/エイズ治療の発展に一層の御尽力をいただきますようお願い申し上げます。
本学術集会・総会が、皆様にとって実り多きものになることを、また、今後の皆様の御活躍を心から祈念し、挨拶とさせていただきます。